
今知ることで未来は変わる。お金に取り組むなら、あらゆるリスクから自分の人生を守る「生活防衛資金」を貯めよう。そのためにも見直すべき2大固定支出とは? ファイナンシャルプランナー・黒田尚子さんが教えてくれました。
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化石化した2大固定支出を見直し、年間で超節約!
今の収入から貯蓄を増やすには、支出を減らすしかない。でも、ケチケチするのは疲れそう。
「日々の食費などを削ると、つらくて続きません。先に固定費から着手しましょう。固定費は毎月出ていくお金なので、少しでも削減できれば年間で大きな節約になります」
狙い目はスマホ代とサブスク代。この2つで月数千円は削れる人が多いというから、やらなきゃ損。
「スマホは大手キャリアから安いプランに乗り換えるだけで、月数千円は浮く可能性が。特に、家族割引が使えない人にとっては有力です」
どれがいいかわからない場合、量販店などに最適な会社とプランを提案してくれるカウンターもあるので、相談してみてもよさそう。
「動画や音楽をはじめ、気づけば増えているサブスクは、ひとつずつが少額でも増えれば大きな金額に。下にあるように、まずは見える化し、使用頻度が低いものから削っていきましょう。いずれにしても、先行き不透明な時代に、“変えない”のはリスク。考え方や環境を柔軟に変え、実行していく人がお金も貯めていけるのです」
【POINT】安いプランに乗り換え、月数千円を削減!
安く乗り換えながらも、快適な通信速度を維持したいなら、下表にあるようなものが選択肢。利用状況を調べて、より安く使えるプランを検討してみて。

【Rakuten Mobile】
データ容量1~3GBまで…1,078円、3GB超過後~20GBまで…2,178円、20GB超過後~無制限…3,278円
【ahamo】
データ容量1~30GBまで…2,970円、30GB超過後~110GBまで…4,950円
【povo】
データ容量1~3GBまで…990円(3GB・30日間の場合)、3GB超過後~10GBまで…1,800円/月(120GB・365日間の場合)、10GB超過後~20GBまで…2,700円(20GB・30日間の場合)、20GB超過後30GBまで…2,780円(30GB・30日間の場合)、2,200円/月(360GB・365日間の場合)、30GB超過後~100GBまで…3,278円/30日(300GB・90日間の場合)
【LINEMO】
データ容量1~3GBまで…990円、3GB超過後~10GBまで…2,090円、10GB超過後~30GBまで…2,970円
【UQ mobile】
データ容量1~35GBまで…3,828円(コミコミプランバリューの場合)※1回10分以内の通話料無料、Pontaパス無料。また、毎月最大30GBまで利用でき、各種割引の適用が可能な「トクトクプラン2」もあり。(表は2025年6月4日時点のもの)
【Y!mobile】
データ容量1~4GBまで…2,365円、4GB超過後~30GBまで…4,015円、30GB超過後~35GBまで…5,115円
毎月の利用量が3GB以下なら、月1000円程度で契約できる。docomo、au、SoftBankはサブブランドを展開。「今は安いプランに変えても不便さを感じることはほとんどありません。データ節約モードを活用するなど、使い方を工夫し契約容量を下げても節約に」
【POINT】サブスクは見える化でムダをカット。
何に入っているか忘れがちなサブスクは、一度下の表に書き出して“一覧”にしてみよう。定期的に見直しして、「そんなに使っていない」ものはすぐカット!

動画配信サービス、音楽配信サービス、電子書籍サービス、ファッション・美容など、ファンクラブ会費など、ジム・習い事など、食品の宅配サービス
1、全サブスクを書き出す。
入っているサブスクと金額をリストアップ。「一覧にするだけで、冷静にムダを診断できます。利用頻度や重要度もメモすると、より効果的」
2、カテゴリーごとにグループ化する。
内容が重なるサブスクは、いちばん使っているものだけに。「エンタメ系、実用系、自分磨き系などカテゴリーで分けてみるとわかりやすい」
3、休会や一時停止してみてチェック。
利用頻度は低いが、解約までは踏み切れないサブスクは、休会や一時停止で様子見を。「なくても困らないとわかったら解約しましょう」
4、2週間使わなかった場合はサヨナラ候補へ。
利用頻度は定期的に見直したい。「以前より使わなくなっていたら、コスパはダウン。必要ならまた入り直せばいいので、いったん解約を」
サブスク管理のオススメツール
登録しているサブスクをリスト化できるアプリも登場。「無料で登録できる数に限りがある特性を活かし、サブスクを整理するきっかけにしても」
【SubsHub】
無料で登録できるサブスク数は5個まで。860円で購入(買い切り)すると、無制限になる。カテゴリー別に分類もでき、シンプルなデザインで、月間、年間の支払総額や次の支払日が見やすい。iOS対応
【サブスク管理】
月額・年額で契約しているサービスを無料で10個、プレミアム会員(月額280円)になると無制限で登録可能。過去の支払いも記録可能で、月間、年間でどのぐらい支払っているか一目でわかる。iOS・Android対応
Q&A
Q. 他に削れる可能性が高い固定費は?
「シングルなら、保険料は見直し候補です。扶養家族がいなければ、生命保険は不要。入るにしても葬儀代程度で十分です。家賃も年々上がってきていますが、手取りの3割までが目安。在宅ワークが中心ならいっそ郊外に住んで家賃を抑えるのも手です」
Q. 月額制とちょっとお得な年会費制。どちらを選ぶべき?
「割安な年払いや、定期購入、まとめ割などのプランは、“お得だから”と放置しがち。たとえば動画配信サービスなら、あえて月額制にして1つにしぼり、気になるドラマを集中して見て次の月は他に乗り換えるなど、こまめに見直すほうが節約につながります」
Profile
黒田尚子さん
ファイナンシャルプランナー(CFP(R))。城西国際大学、千葉商科大学非常勤講師。『マンガでわかる お金に人生を振り回されたくないから 超ビギナーが今すぐやること教えてください』(主婦の友社)ほか、著書多数。
anan2449号(2025年6月4日発売)より