意外と知らない“冷えのカラクリ”をお医者さんに聞きました!

ライフスタイル
2017.01.07
そもそも、なぜカラダが冷えるのか。
冷え
血液は、食物を摂取し消化する時に生まれる熱や、筋肉を動かした時に生まれる熱を運んでいる。末端の血流が悪いと、せっかく生まれた熱が届かない。

血管外科医・林忍先生と鍼灸師・小井土善彦先生にお話を伺いました。

血液は、体中に熱を運んでいる。

そもそも、なぜ冷えるのか。答えはズバリ、体を温める「熱」が行き届いていないから。熱は、血液により全身に届けられるもの。血流が悪くなれば、熱も行き届かなくなるのだ。

「ただし、冷え症の人も、基本的には、太い血管の血流は正常なレベルなのでご安心を。熱を全く運んでいない、ということはありません。問題は毛細血管。手足などの末端がすぐに冷えるのは、毛細血管に血行不良が起きやすいからです」(林先生)

毛細血管は、生活習慣やメンタル的な影響を受けやすいもの。こまめに手足を動かし、せっせと血液を流して熱を運ぶとよいでしょう。貧血の場合も、熱を運ぶ血液が不足しているため、冷えてしまう原因に。

運動不足、ダイエット…。私たちの体は熱が足りない。

熱を運ぶ血液の流れが悪いことだけが、問題ではない。そもそも、その「熱」自体が足りていない人が多いのだとか。

「熱は、運動したり食べ物を摂取したりすることで生まれます。運動不足や、過度なダイエットによる食事制限が原因で、十分な熱が産生されず、体が“熱不足”の状態になってしまう。いくら血流を促しても、運ぶ熱がなければ、体は冷えてしまいます」(林先生)

また、平熱が35.5度に達しない、いわゆる低体温の人は、体を温める熱が常に足りていない状態だという。

「低体温の人は、筋肉が少ないので、熱を生み出す力が弱い。適度な運動を続けて筋肉をつけ、熱を生む体を目指しましょう」(小井土先生)

冷え

熱が足りなければ体は冷えるばかり。適度な運動とバランスの良い食事を続けて、血液に運んでもらうべく、熱をしっかり作り出そう。
はやし・しのぶ 横浜血管クリニック院長。慶應義塾大学医学部卒業。血管外科医。日本では数少ない「冷え症外来」も開設し、冷えに悩む多くの患者さんが来院。

こいど・よしひこ 鍼灸師。せりえ鍼灸室院長。副院長の辻内敬子さんとともに冷えの改善に取り組む。共著に『妊活お灸』(河出書房新社)がある。

※『anan』2017年1月11日号より。イラスト・白ふくろう舎 取材、文・齋藤春菜

(by anan編集部)

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