意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「アフリカ開発会議」です。
堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。
堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。

8月に第6回アフリカ開発会議(TICAD)がケニアで開かれました。アフリカの開発支援のために、日本が世界に呼びかけて1993年に始まった会議で、5年に一度開催され、今年初めてアフリカで行われました。

アフリカは人類発祥の地といわれ、ナイル文明など、豊かな文化や歴史があります。ところが19世紀に欧州諸国が肥沃な土地を奪い合うようになり、アフリカを勝手に分割統治、植民地にしてしまいました。その後、アフリカ諸国は独立しはじめますが、欧州各国によって決められた国境は、先住民族の文化や生活を無視した線引き。その問題は現在の内戦や民族紛争にもつながっています。

また、アフリカはほかにも、食糧不足や干ばつ、感染症、教育を受けられない子どもたちなど、多くの問題を抱えていますね。近年のボコ・ハラムやアルカイダなど、テロ組織の暗躍も、根底にあるのは貧困や教育問題。経済を好転させることで解消される問題は多い。今年のTICADではテロとの戦いと国際協調が訴えられ、安倍総理は日本から3兆円の支援をすることを約束しました。

これに対して、中国は「国連の常任理事国入りをしたい日本が、アフリカ諸国を味方につけようとTICADを政治利用している」と批判しました。近年、中国は、アフリカに携帯電話を普及させ、携帯電話による送金システムを輸出するなど、ものすごい勢いでアフリカに進出してきているんですね。水道も電気も通ってない地域で、携帯電話だけは使われているという異様な光景も。ほかにも道路や港を作る支援をし、代わりにレア・メタルの採掘権を得ようとしています。

発展途上のアフリカには、たくさんのビジネスチャンスが眠っています。日本も開発支援だけでなく、民間企業がもっとアフリカと密接につながるといいのですが、距離的な問題もあり少々及び腰です。それでも、日本で消費されるバニラビーンズやカカオ豆、蚊取り線香に使われる除虫菊はアフリカ産がほとんどなんですよ。今後、アフリカと日本は、ますます結びつきが深くなっていくことでしょう。

堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2016年11月2日号より。写真・中島慶子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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