都会で? 里山で? フルタイム? スキマ時間? 選択肢もたくさん。自分を表現できる現場で働く、新しい介護のカタチ。

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2024.10.09

写真・村上未知 スタイリスト・志田 舞(本田さん) ヘア&メイク・山田佳苗(本田さん) 取材、文・鈴木恵美 PR・厚生労働省

ハードルが高いイメージがある介護の世界。しかし、サービス形態も多様で、施設ごとに理念も異なるため、やりがいを感じられる場所を見つけて、個性を輝かせながら働けるのが介護の魅力でもある。そこで様々なカタチで介護と向き合っている人たちの働き方に注目。

クリエイティビティを生み出す、
やりがいのある介護の現場。

介護の世界に興味を持つ本田望結さんが、現場を訪れて介護のお仕事を体験。
実際に働いている人との対談を通して、介護のリアルについて深掘りします。


介護の現場1
最新テクノロジーを導入している
サンタフェガーデンヒルズに、
本田望結さんが潜入!

お話を伺った方(左)
和田真央さん
わだ・まお 茨城県出身。介護の専門学校で介護福祉士の資格を取得。卒業後、社会福祉法人「善光会」に就職し、グループホーム勤務を経て、現在は「サンタフェガーデンヒルズ」でフロアリーダーを担当。スマート介護士を取得。介護職歴6年目。
本田望結さん

ほんだ・みゆ 2004年6月1日生まれ、京都府出身。俳優。3歳から芸能活動を始め、ドラマ『家政婦のミタ』で脚光を浴び、その後、数多くの映画、ドラマに出演。11月8日に主演映画『カーリングの神様』が公開予定。フィギュアスケーターとしても活躍。

本田さん・カーディガン¥13,200 パンツ¥13,200(共にカプリシュレマージュ☎03・6861・7280)

将来のために誰もが介護の知識を身につけておくべき。

高齢化が進み、今やなくてはならない介護の仕事。家族の介護はもちろん、いずれ自分も介護が必要になる可能性もあり、誰にとっても他人事ではない時代になってきたが、なかなか介護に触れる機会が少なく、身近に感じられない人も多いはず。そこで以前から介護の世界に興味があったという俳優の本田望結さんが、羽田空港のそばにある複合福祉施設「サンタフェガーデンヒルズ」を訪問。ここは、入居者さんのQOL向上のため、そして介護職員の負担を軽減するために、介助をサポートするロボットなど最先端テクノロジーを積極的に活用し「ケアテック」の導入を進める、業界的にも注目を集める施設。ここでフロアリーダー兼ユニットリーダーとして活躍する介護福祉士の和田真央さんと一緒に、現場で介護の仕事に触れた本田さん。その体験を通して感じた思いや、介護の仕事について語ります。

和田 入居者さんと触れ合ったり、移乗サポートロボット「Hug」を体験したり、介護のリアルな現場を本田さんに体験してもらいましたが、いかがでしたか?

本田 ほんの少しの時間でしたが、人生の大先輩たちと触れ合うことができ、いろんな学びがありました。みんながみんな支え合って生きている。入居者さんたちが生き生きとした表情で、私にずっと笑いかけてくれたのですごく元気をもらえました。和田さんのお仕事されている姿を間近で見て、大変な部分ももちろんあるけれど、とてもやりがいのある仕事なんだろうなと感じました。

一人で立ち上がることが難しい方用の移乗サポートロボット「Hug」を体験中。

和田 入居者さんに積極的に話しかけてコミュニケーションをとっていた本田さんの姿が印象的でした。入居者さんたちが笑顔だったのは、本田さんの人柄もあると思います。人と関わったり、接するのが好きな人は介護職に向いています。本田さんはこれまで介護に対してどんなイメージを持たれていましたか?

本田 職業柄、介護施設にお邪魔させていただくことはよくあったのですが、今回のように介護体験をする機会はなかったですし、身近にも介護を必要としている人がまだいないので漠然としか考えたことはありませんが、高齢化が進む日本にはなくてはならないものだと思っています。誰もが介護の知識を身につけておくべきなのに、どうして学校などで介護の授業がなかったんだろうとずっと思っていました。介護は人と人を繋ぐものだし、社会にとっても自分にとっても必要不可欠なスキルのはずなのに…。だからずっと介護について学びたいという気持ちがありました。

体操やクイズが得意な介護ロボット「PALRO」は入居者さんの心を和ませて、セラピー効果も高い。

体操の声かけにもロボットを活用!

人と人との繋がりを大事にした
介護ができるよう邁進中。(和田)

テクノロジーを活用することで質の高い介護を実現できる。

和田 介護は、専門的な知識を身につけたり、入居者さんを抱きかかえたり、入浴介助や排泄介助などの生活介助を行う上で体力が必要だったりするので、ハードルが高いイメージを持たれている方も多いですが、本田さんがおっしゃるように何より入居者さんと心を通わせることが大切。私たちの施設でも繋がりを重視しているため「ケアテック」を導入しているんです。たとえば移乗時に立位をサポートするロボットは、転倒などのリスクが減り、私たちに抱えられるよりもスムーズかつ安全なので、入居者さんの負担を軽くすることができます。

本田 たしかに実際に体験してみましたが、移乗ロボットが安定して支えてくれるため、とてもラクでした。あと見守り支援システム「眠りSCAN」も画期的だと思いました。ベッドのマットレスの下に敷かれたセンサーを通して眠りの状態や変化を知らせてくれるので、各部屋を回らなくも入居者さんの状況の変化を早期にキャッチできるのはすごく安心だし便利ですよね!

「眠りSCAN」を使うことでユニットごとに利用者さんの眠りの様子が一目瞭然。

和田 このシステムを活用することで、巡回の頻度が1時間に1回から2時間に1回になり、介護職員の負担軽減だけでなく、巡回による入居者さんのストレス軽減にも繋がっているんです。テクノロジーを上手く活用することで、入居者さんと介護職員の負担を減らせるので双方にメリットがあります。また、時間に余裕を持って仕事ができるようになることで、入居者さんの笑顔に繋がるようなコミュニケーションに時間を費やすことができるため、人と人を繋ぐ質の高い介護を実現できます。

本田 テクノロジーを活用することで、日々の業務や、介助の負担も減らせるので、介護に対するハードルが下がり、本来の心を通わせる介護ができるわけですね。モチベーションを高く持ったまま、自分らしく働けるのが素敵です。ただ入居者さんと親密な関係を築けば築くほど、突然やってくる別れの時にとても悲しい気持ちになると思うんですが、そんな時のメンタルケアってどうされているんですか?

和田 毎日一緒に過ごしていた入居者さんが突然いなくなるのは本当に辛いことですし、いまだに慣れません。職員たちもみんな慣れるということはないので、亡くなった翌日などはフロア全体が暗い雰囲気に包まれてしまいます。でもそういう時は休憩時間前などにスタッフで集まり、その入居者さんとの思い出話をみんなでするんです。あえてその話を避けるのではなく、共有することで、心が落ち着いたりします。仲間の支えがあるからこそやっていけるのが介護の仕事でもあります。

本田 みんなが気持ちよく仕事していくために、職員同士のコミュニケーションも必要不可欠なんですね。和田さんの働きぶりを拝見して本当にコミュニケーション能力が高く、入居者さんとはもちろん、スタッフさんとも関係性がしっかり築けていて、強みを活かしながら自分らしく働かれていると感じました。私も今日体験してみて、学ぶことがたくさんありました。自分のこれからの働き方を考えるきっかけにもなったし、介護をもっと身近なものにするために、自分なりに勉強して、介護の魅力を発信していけるような人になりたいです。

和田 今は資格がなくても、アルバイトやボランティアなど、いろんなカタチで介護に関わることができます。自分の魅力を発揮しやすいのが介護の世界なので、ぜひ多くの人に介護に興味を持ってもらいたいです。

100歳の入居者さんと楽しくおしゃべりをする本田さん。

介護の魅力を自分なりに
発信していきたい。(本田)

DATA : サンタフェガーデンヒルズ

社会福祉法人善光会が運営。地上10階、地下1階の建物に特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、障がい者施設入所支援の3つの施設が入居。

東京都大田区東糀谷6-4-17
☎03・5735・8080 複合福祉施設
https://www.zenkoukai.jp/santafegardenhills/


本プロジェクトは厚生労働省補助事業 令和6年度介護のしごと魅力発信等事業(情報発信事業)として実施しています。(実施主体:マガジンハウス)


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