ひったくり、スリ、盗撮カメラ…対策方法は? 犯罪ケース別“自己防衛策”を紹介

ライフスタイル
2024.11.04

ひったくり、性犯罪、連れ去り、スリ、ストーカー…。家の外で起こりうる犯罪を想定して意識を高め、防犯を徹底! 防犯意識を高めるチェックリストをご紹介します。教えてくれたのは、日本防犯学校副学長・桜井礼子さんです。

家の外で起こりうる犯罪

路上強盗&ひったくりが増加中。ながらスマホは絶対NG! 歩き方、カバンの持ち方を確認。

日が落ちてきたら、なるべく建物などの壁沿いを歩き、バッグは壁側の肩や腕にかける。斜めがけにするか、ハンドルの短いバッグは腕を通して、両手で前に抱えると、犯人がひったくる隙がなくなる。万が一被害に遭った場合を想定して、片手にはすぐに通報できるようにスマホを持ち、もう片方の手には“防犯ブザー”を持つと安心。キョロキョロと周りを警戒しながら足早に帰宅し、スマホのライトをつけて歩くのも◎。防犯グッズをうまく使うことも大事だが、スタンガンなどの攻撃性の強いグッズは、相手に奪われるなどかえって危険を招くためおすすめはできない。

電車内や改札付近はスリとスキミングに注意。

交通系カードをお財布に入れている場合、お財布はバッグの中の体側にしまい、ファスナーを閉めること。カミソリでバッグを切って財布を盗むケースもあるので、バッグやリュックは両手で前に抱える。またクレジットカードのスキミングは、バッグの外からでもできてしまう時代。カード類は“スキミング防止カードケース”に入れると安心。

飲み物に薬物を盛られる!? 飲み会での離席はグラスごと移動。

海外では以前から、狙った相手の飲み物に睡眠薬や危険薬物を入れて性暴力に及ぶ手口が知られている。これに対し、薬物に反応して色が変わるマニキュアを塗って防犯している女性もいるほど。実はこの手口は、日本でも増え始めている。トイレに行くなど席を外す時は、飲み切ったタイミングか、グラスごと持っていくこと。

エスカレーターにカフェや会社…盗撮カメラの進化に気づいて。

エスカレーター、カフェや会社のトイレなどで盗撮した画像や動画を、顔写真とセットにして売るケースが多発。超小型のカメラを、靴の先に仕込んでいることも。エスカレーターはベルトを背にして横向きに乗ること。ちなみに、盗撮カメラの電波の周波数を拾って感知する、手のひらサイズの“盗撮カメラ探知機”も間もなく発売だとか。

痴漢対策は姿勢から。狙われやすいのは内股・猫背・うつむき加減。

痴漢は、ホームで電車待ちをしている時にターゲットを決めることが多いそう。狙われやすいのは内股で猫背、うつむき加減の気が弱そうな人。足はやや外股で、胸を張り、顎を上げている堂々とした人は狙われにくく、周りに目を配ることが大事。電車内ではドアの近くは死角になるため、座席の前に立つこと。座っている人の視線は立っている人の腰あたりにあり、痴漢の抑止力に。もし痴漢に遭ってしまったり、痴漢されている人を見かけた場合に役立つのは、スマホ画面で周囲に知らせることができる警視庁防犯アプリ「デジポリス」。事前にインストールを。

旅先のホテルでも防犯意識。チェックイン時、ドア、鏡をチェック。

フロントで部屋の鍵を受け取る時は、部屋番号を他人に知られないこと。ホテルの人には部屋番号を言わずに鍵を渡してもらうか、部屋番号を言われてしまったら、部屋を変えてもらうように。部屋に入ったら、回転錠だけではなくドアチェーンやドアガードを忘れずに。ドアの覗き穴はふさぐこと。また鏡がマジックミラーになっていて盗撮されている可能性も。人差し指を鏡と垂直につけてみて、自分の指と鏡に映った指の間に隙間があれば本物の鏡、隙間なくくっついたらマジックミラー。盗撮カメラ検知機も併用できるとベスト。ホテルの人を呼んで確認してもらおう。

ストーカーは日々の観察力がカギ。怪しい人とその行動はメモを。

目と目が合っただけ、ちょっと優しくしただけで、相手がストーカーになるケースもある。知り合いでもないのに、自分の行動エリアで最近よくこの人を見かけるな、という場合はストーカーの可能性あり。おかしいと思ったら、その人と会った日時や怪しいメールを記録して残し、警察へ相談しよう。記録があるほど、警察は動いてくれる。

身近に潜む連れ去りはいかに察知してそこから離れるか。

夜道を歩く時(自転車も同様)、暗がりの駐車場や公園を突っ切るなどの近道はNG。見慣れないワンボックスカーを見かけたら、道を渡って車を避けたり道を変えて。「わ」「れ」ナンバーのレンタカーや前と後ろのナンバーが違う場合、運転手の顔や車内がよく見えない時も要注意。22時を過ぎたらタクシー利用か、家族に迎えに来てもらおう。

PROFILE プロフィール

桜井礼子さん

一般社団法人日本防犯学校副学長。日本初の女性防犯アナリスト。子育てなど自身の経験から女性、母親、高齢者の親を持つ子の立場の目線に立ち、予知防犯を提唱。弱者を犯罪被害から守るための活動を続けている。

イラスト・深川 優 取材、文・若山あや

anan 2420号(2024年10月30日発売)より

MAGAZINE マガジン

No.2420掲載2024年10月30日発売

自分の護り方。

デジタル、お金、防災、防犯など、日々の生活の中で自身を守るための“自己防御の基本のキ”を身に付けるための特集です。堀潤さん、山崎怜奈さんによる最新ニュース解説やジェーン・スーさん、桜林直子さんによる対談などもあり、読めば明日から役に立つ一歩が学べる一冊です。

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