意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「旧統一教会解散命令」です。

一件落着ではない。与党はこの問題にメスを入れて。

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10月、文科省は旧統一教会(宗教法人世界平和統一家庭連合)に対する解散命令を東京地方裁判所に請求しました。信教の自由は民主国家にとって非常に大切な問題ですから、解散命令請求を行ったというのは、日本の歴史の中でも重い決断だったと思います。

旧統一教会は約30年前に悪徳な霊感商法により、一度注目されましたが、昨年、元総理大臣が殺害されるという事件も相まって再び注目を集めました。信徒が多額な献金を請求され、暮らしそのものが破壊されたり、宗教2世が自由も人権も奪われていたり。さらに、教団と政治家が強く結びつき、政治家たちを様々な形で支援していたこと。教団の本拠地が外国にあるなど、総合的に見て、「公共の福祉」に反すると判断されたんですね。

これらの問題は、宗教法人資格を剥奪して終わり、ではありません。与党はもっと自分たちの業界にもメスを入れてほしいと思います。なぜなら、特定の宗教法人の意向が、政治家たちの発言や行動に影響を与えていたとすれば、それこそ民主主義国家としての信頼を根底から覆すことになります。しかし、旧統一教会問題への世間の関心は次第に薄まり、解散命令が問題の幕引きに使われたところもあるのは見過ごせません。

宗教2世の子供たちが、自由に活動する権利を奪われたり、親の信仰によって制限される問題は、放置してよいものではありません。子供の権利を誰が守ればいいのか、議論をもっと深めていかなければならないでしょう。

解散命令が請求されるまでに、文科省は宗教法人法に基づき、宗教法人に対する質問権を行使しました。これが規定されたのは平成8年ですが、行使されたのは今回が初めてです。これまでにも問題はあったはずなのに、行使を阻むものが何かあったのではないかという疑問も残ります。

霊感などで不安をあおり、寄付を必要不可欠と思わせる不当な勧誘行為や、家や資産を売却してまでも献金するよう要求することを禁止する「被害者救済法」が昨年成立したのは前進でした。しかし、政治と宗教の問題、宗教2世のケアなど、課題は山積しています。

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ほり・じゅん ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~8:30)が放送中。

※『anan』2023年12月20日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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