お金を貯める理由と、やるべき3ステップとは?
今もなんだかんだ生活はできているし、そもそもなぜお金を貯めないといけないのかわかっていない人も多い。そこでお金を貯める理由を、ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんが解説。
「数年前から物価が上昇し始め、いま日本はインフレに直面しています。さらに賃金が上がらず物価上昇に追いついていません。インフレによるお金の価値の目減りを防ぐには、物価上昇率以上に資産を増やしていく必要があります」
また、寿命が延びたことで老後の資金もさらに必要なのだとか。
「暗い話題が多くなりましたが、ポジティブなテーマとしては、やはりお金があったほうが、ゆとりのある老後を送れることはもちろんのこと、やりたい仕事でも夢の実現でも、やりたいと思った時に挑戦できるので、自分の可能性を広げることに繋がりますよね」
お金を貯める方法は、突き詰めると“収入を増やす”“支出を減らす”“お金に働いてもらう”の3つしかない、と高山さん。
「収入を増やすには転職や副業が考えられますが、時間も行動力も必要で、すぐにはできません。なので、より簡単にできるプロセスとして、積極的な貯蓄と節約で支出を減らし、最終的にお金に働いてもらうための資金を捻出する3ステップに取り組みましょう」
まずは、この3ステップの流れとお金が貯まる仕組みを理解しよう。
STEP1:積極的に貯蓄する。
積極的な貯蓄とは、毎月余ったお金を貯蓄しようと考えるのではなく、収入から貯蓄分を先に取り分け、確実に貯める“先取り貯蓄”のこと。貯蓄専用口座を作り、自動的、強制的にお金を貯められる仕組みを作ろう。今後のライフプランで、いつ頃、何にいくらお金がかかりそうかを計算し、今からいくら貯める必要があるかを考えることも大切。
STEP2:節約して支出を減らす。
お金は使うためにあるものだが、この支出を減らすことが、お金を貯める上で、いちばん早く効果が出て継続が簡単なアクション。なかでも固定費は、金額が大きなものが多いので、削減による節約効果が高い上に、一度削れば効果がずっと続く。次に変動費や無駄遣いの見直しにトライ。まずは、“支出を見える化”するためにカンタン家計簿をつけてみて。
STEP3:投資して資産を増やす。
貯蓄と節約によって、お金に働いてもらうための資金が作れたら、3ステップ目の投資を検討する。とはいっても、投資は必ず元本が保証されているわけではないので、運用リスクを抑えるために、“分散”“長期”“積立”の3つのキーワードを覚えておきたい。それらに適した金融商品が投資信託。少額から始められるので若い人や初心者にもおすすめ。
高山一恵さん ファイナンシャルプランナー。講演や執筆活動、相談業務を通して、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。頼藤太希さんとの共著に『はじめてのお金の基本』(成美堂出版)など。
※『anan』2023年5月24日号より。マンガ・サヲリブラウン 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)