愛嬌力を身につけるための10の習慣
1、返事は“!”つき、リアクションは“1.8倍”で。
会話中の相槌や表情は、少しだけオーバーなくらいでちょうどいい。「リアクションしているつもりでも、相手に伝わらなければ意味がありません。特にオンラインでは、動きや表情の有無が伝わりやすいので、無表情にならないよう注意を。返事は、言葉と言葉の間を“!”や“っ”で区切るつもりですると、元気で明るい印象に。また、『え! そうなんですか!!』と目を見開くなど、表情もコロコロ変えながら感情表現をすると、相手に安心感を与えられます」
2、挨拶やお礼の言葉の前に「あっ」をつけてみる。
挨拶したりお礼をする時は、ただ言葉を述べるだけでなく、「あっ」と感嘆詞をつけると、良い印象につながる。「名前をつけるのも効果的ですが、それよりも『あっ』をつけるほうがポイント高め。例えば『あっ、おはようございます』にすると、そこに、会えてうれしいというニュアンスを含めることができます」。お礼も「あっ、ありがとうございます」だと、感謝の気持ちが増幅する。感嘆詞ひとつで、すごく感情が乗るので、様々な場面で活用してみよう。
3、何歳になっても、人から学ぶ姿勢を持つ。
人から学ぶ姿勢が、自分自身を成長させる最短ルート。「人に興味を持たないと成長はありません。老若男女問わず、自分の周りにいる人すべてが学びの対象だと思って、どんな人であっても自分から歩み寄っていくマインドを持ちましょう。誰かに興味を持ってもらえることは単純にうれしいし、興味を持つことで心の距離は縮まっていくので」。話しかけたり質問するのはハードルが高ければ、この人はなんでこう考えるんだろうと、想像するだけでもOK。
4、教えてもらったことは、実践して結果を報告する。
アドバイスを受けたら、どんな時も感謝、実践、報告を忘れずに。「例えばお薦めの本を教えてもらったら、最初に感謝を伝えるのはもちろんですが、次に『さっそく買いました。これから読みますね』と行動に移したことを伝え、読み終えたら『すごく勉強になりました』などと感想を報告する。そこまでしてもらったら、誰でもうれしいと思いますよ」。反応が返ってくる人には、また教えてあげたくなるもの。そこにコミュニケーションの好循環が生まれる。
5、会話では、“話すは2割、聞くが8割”のバランスを意識する。
会話では、相手を主役にする。「自分の話ばかりし続けて、喋り倒して気持ちよくなったら終わり…みたいなことをしていると、周りから距離を置かれてしまうことも。大前提として、人は誰でも自分の話を聞いてほしいという思いを持っています。そこを大事にして、相手に興味を持って質問していると、話す2、聞く8のバランスは自然と作れます」。仕事上の議論でも日常会話や悩み相談でも、まず相手の価値観や感情に寄り添って、話を聞いてあげよう。
6、人間関係はギブ&テイクでなく、ギブ&ギブの精神で。
人間関係はギブ&テイクが大事だともいうが、愛嬌力を高めるには100%ギブの精神をベースに持ちたい。「これだけやってあげたのだから、自分も何かしてほしいと、つい見返りを求めてしまいがちですが、損得勘定が入ってくると人付き合いはうまくいきません。“見返りを求めない。人に期待しない”を基本設定にしておくと、人間関係はものすごくラクに。『できることがあれば言ってくださいね』など、サポートする姿勢を常日頃から意識しましょう」
7、褒め上手になる。褒める時は、人を主語にする。
褒める時は、必ず人の名前を主語に持ってくること。「例えば『この資料すごいね』ではなく、『○○さんが作ってくれたこの資料見やすいね』と、人にフォーカスする言い回しに変えるだけで、好感を持たれやすくなります」。逆に注意する時は、「○○さんが作った資料、間違いがあったから修正お願いします」ではなく、「この資料、ここが間違っていたから修正をお願いします」と、モノを注意する言い回しにしたほうが、相手を傷つけずに指摘できる。
8、どう伝えたら喜ぶか、傷つけないか、常に相手目線で。
褒める時や注意する時に、どんなふうに伝えたらいいか、常に相手ファーストを心がける。自分中心に考えずに、相手の目線に立って伝えることを習慣づけると、思いやる気持ちや器の大きさが養われる。「そうはいっても、たやすくできることではないので、いったん自分に置き換えてみるのもあり。『自分だったらどう言われたら嬉しいかな?』『自分ならどう注意されたら悲しくないかな?』と考えながら言葉を選ぶと、相手の心に響きやすくなります」
9、ネガティブ思考をポジティブに置き換えてみる。
とにかく前向きに、マイナスなこともプラスに変えられるかは、愛されるための必須条件。「ポジティブな人ほど一緒にいて楽しい。ただネガティブな発想を全否定するわけでなく、慎重に考えることも大切なので、準備する時はネガティブに、行動に移したらポジティブを意識しましょう。例えばせっかくのデートの日が雨予報だったとしても、傘を準備して雨なりの楽しみ方を考えてみる。そうやってネガをポジに変換できる人のほうが圧倒的に魅力的です」
10、イジられるのを楽しんでみる!
自分の弱みをどんどんさらけ出し、自己開示してみる。「弱さを見せることで、どんな人からも人間味を感じてもらえるようになります。しかし、年齢を重ねて立場も上がると、弱みを見せづらくなるのも当然のこと。そんな場合でも、自分の過去の失敗談なら気軽に話せるのでは? 『じつは…、昔お客さんに怒られちゃったことがあるんだよね』などと自己開示できるようになれば、親近感がグッと高まり、イジられキャラを楽しめるようになります」
リョウさん キャリアコンサルタント。金融機関の営業を経て、大手メーカーに転職。人材・組織開発の責任者をしながら、キャリア支援やキャリア戦略の発信を行っている。著書に『仕事ができる人は知っているこびない愛嬌力』(KADOKAWA)。Twitterは@Ryoot13
※『anan』2023年3月8日号より。イラスト・oyumi 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)