社会のじかん

SNSでタリバンを抑制? 堀潤が教える、世界のために私たちができること

ライフスタイル
2021.12.28
引き続きコロナ禍にあった2021年。2022年はいったいどうなるの? 読者を代表してイラストレーター・五月女ケイ子さんが堀潤さんに“世界の課題”について聞きました! テーマは「バランスが変化する世界情勢。いまこそ国際協調を!」です。

コロナ禍で加速した飢餓問題。SNSを使い私たちにもできる支援を!

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堀潤(以下、堀):世界情勢は、2022年も深刻になるでしょう。世界的に飢餓が進んで歯止めがかからなくなっています。国連WFPによると2019年には約2700万人だった餓死寸前の飢饉に陥っている人が、直近で4500万人まで跳ね上がってしまいました。

五月女ケイ子(以下、五月女):そんなに急激に!? 新型コロナの影響ですか?

堀:コロナと紛争ですね。コロナ禍によって生産活動が続けられなくなったり、紛争やテロにより、その土地に安心して暮らせないことも重なって、すごい勢いで増えています。飢餓が増えれば、不満はあふれます。スーダンでは再び軍事クーデターが起こり、アフガニスタンではタリバンが息を吹き返し、エチオピア、ナイジェリア、イエメン、イスラエル、パレスチナ、ミャンマーなどで混乱が起きています。さらに多くの国々で拡大すれば世界が分断しかねない状態です。

五月女:どうしたらいいんでしょう?

堀:先進国が経済的支援や、国と利害が対立してしまった勢力との橋渡しをするなど積極的に関わることだと思います。いまこそ国際協調。余力のある国々が世界の飢饉に目を向けて、手当てすることをやっていかないといけないと思います。

五月女:2021年はアメリカがアフガニスタンから撤退して、また混乱しちゃいましたよね?

堀:支援の仕方を考えなければいけないんですよね。いままでの資本主義の支援は、開発した国や企業から利益を吸い上げて、その土地には申し訳程度に分配していました。持続可能な経済にするために、その土地で業を起こして、地域の人たちにちゃんと利益が分配できるようにしないといけないんです。アフガニスタンでは医師の故・中村哲さんがそういう活動をされていました。タリバン政権も、NGOなどソーシャルセクターの活動は大事だと認識し始めています。

五月女:でも、日本で生活をしていると、NGOの方々の活躍ってあまり耳に入ってきません。私たちにできることはありますか? その土地のものを買うとか?

堀:それもいいですが、やはりSNSで発信することだと思います。タリバンが好き放題できないのはSNSの時代だから。タリバンに女性教育を止めさせないよう、アフガニスタンの女性たちが抗議する姿をSNSで世界中に拡散することで、権力を監視し、抑制することができます。NGOの活動を知り、それを広く知らしめることも支援の一つ。私たちはその一役を担うことができるんですね。

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ほり・じゅん ジャーナリスト。「8bitNews」代表。「GARDEN Journalism」主宰。『モーニングFLAG』(TOKYO MX)、「ABEMA Prime」(ABEMA)ほか、レギュラー多数。

そおとめ・けいこ イラストレーター。オンラインストア「五月女百貨店」では、新年の商品も取り揃えている。LINEスタンプも展開。『乙女のサバイバル手帖』(平凡社)が発売中。

※『anan』2021年12月29日‐2022年1月5日合併号より。写真・小笠原真紀 イラスト・五月女ケイ子 取材、文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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