心のノイズに気づけば悩まない自分になれる。
長引くコロナ禍で、いろんな情報に心が振り回されるのは、ある意味自然な状態だと、心理カウンセラーの山根洋士さんは話す。
「人はもともと共に生きることで安心感を得る動物です。しかし今、誰しもが体験したことのない状況に置かれ、その安心感は失われ、メンタル的にも未知な領域に突入しています。心が参ってしまうのは仕方がないことです」
しかし、この不安定な状態を放置しておくと、重症化する恐れが。
「カラダのコリを放置しておくと、痛みが悪化したり、不調を招くのと同じように、心のコリは、次々と負の感情を生み出し、鬱っぽくなることもあるので、すぐに対処してほしい。正体不明と思われがちなモヤモヤ・イライラにも根本となる感情があり、モヤモヤは恐れや怒り、イライラは悲しみからくるもの。だからそのもとの感情を生み出している原因を探ることが、解消への第一歩です。しかし自分の感情に気づけずにいる人も多いので、まずは今の自分の状態を知ることから始めてみて。さらにモヤモヤ・イライラは、その人が持つ心のクセ=『メンタルノイズ』によって引き起こされます。メンタルノイズは、凝り固まった価値観や思い込みのようなもので、それが思考をネガティブにして、行動を抑圧するのです。だから自分のノイズの存在に気づいた上で、今直面している問題や悩みに向き合うことができれば、気分を晴れやかにする近道になります」
まずは今の状態を知る“メンタル問診”
今の状況を把握できなかったり、受け止め切れていない人も多いので、まずは自分のメンタルの状態を書き出しましょう。内面を“見える化”することで、心を整理できる!
HOW TO:メンタル問診票の質問にお答えください。できれば毎日記録しましょう。各ポイントを解説します。
1、今日一番、モヤモヤ・イライラしたことは何ですか?
2、そのことでどのくらいの時間、モヤモヤ・イライラしましたか?
3、今日の気分を点数で表してください
4、今日、何をしている時が一番楽しかったですか?
メンタル問診・解説
1、何にモヤモヤ・イライラしているかを具体的に書き出してみる。すると、漠然とした思考のループから抜け出しやすくなる。
2、モヤモヤ・イライラに費やしている時間を数値化してみると、こんなに悩んでいるのがもったいないと思えるように!
3、毎日つけることで、自分の感情のバロメーターを把握し、客観視できる。朝、昼、夜に分けて点数をつけてもOK。
4、自分にとって楽しいことを知って、その時間を増やせれば、ネガティブなことを考える時間を減らせて、心の回復に繋がる。
山根洋士さん 心理カウンセラー。著書に『「自己肯定感低めの人」のための本』(アスコム)。YouTubeチャンネル「メンタルノイズ心理学 山根洋士」を配信中。Twitterは@yamane_hiroshi
※『anan』2021年6月23日号より。イラスト・黒猫まな子 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)