1、第一印象をつくるのは、清潔感と立体感。
直接会うわけではないからと、部屋着にすっぴんはご法度。「清潔感のある身だしなみを心がけて、きちんとした印象が伝わる服装を。特に首まわりはレフ板効果を狙って、明るいものを選ぶこと。ただし白壁に白い服だと溶け込んでしまうので、背景とのコントラストを考えましょう」。画面越しだとのっペり顔に見えてしまうため、グレーやブラウンのアイシャドウや、ノーズシャドウを。立体的なメイクを意識すると、顔にメリハリが生まれ、印象がアップする。
2、顔芸で表情を豊かに。
オンラインだと、相手の反応や表情が読み取りづらい。それは相手から見える自分もしかり。だからこそ、顔全体を使っていろんな表情をつくると、相手に興味を持ってもらいやすくなる。「目の周りの筋肉を使わないと、表情が乏しくなり、退屈そうに見えます。だから感情に合わせて、目を見開いたり、細めたり、顔芸を極めましょう。表情を豊かにするのが苦手な人は、画面の近くに好きな人の写真や物を飾ると、自然と柔らかい表情ができるようになります」
3、“前向きな姿勢”は遠近の差を利用する。
興味・関心を相手に伝えるために、カメラの遠近法を使うと、前向きな姿勢が伝わりやすい。「カメラに近づくと大きく写り、引けば小さく写るので、“ここぞ!”いう時に前傾になると、相手の話に興味があることを表現できます。時には後ろに頭を倒してから大きくうなずくのも有効です」。自分が話す時にも前向きな姿勢が大事。「自宅だからと油断せず、良い姿勢をキープしましょう。発声のためにも腹筋に力を入れることは大切です、カメラを常に意識して」
4、視線はカメラの下に映る人に合わせる。
画面越しであっても、相手の目を見ながら話すのがマナー。だからこそカメラの位置や角度は適切に。「カメラを設置する場合は、正面かモニター上部が理想。横や斜めからのアングルはマナー違反。また下からのアングルも威圧的な印象を与えてしまうので注意が必要です。視線は、カメラの下に映る人を見ると、大体目が合います」。時には目力のインパクトもうまく利用し、何かを言い切るタイミングで、カメラ目線にすると、説得力がグッと増す!
5、下がり口角はNG。日頃からアップして鍛える。
長引くマスク生活で、口まわりの筋肉のたるみが加速し、口角が上がりにくくなっている人が続出! 老け顔を防ぐためにも、日頃から口まわりの表情筋トレーニングを行うべし。「筋肉は使えば使うほど柔軟に動くようになるので、“イー”の口の形で、口角をグッと上げる練習が効果的です。オンライン会議が始まる前に習慣づければ、笑顔がつくりやすくなります」。ひとりの空間でオンライン会議を行う際はマスクを外し、口角をしっかり上げて口元美人を狙おう。
6、邪魔にならない動きで、多様なリアクションを。
オンラインでのリアクションは、少しオーバーなくらいがちょうどよい。「参加者の話しやすい雰囲気をつくることも、オンライン時代の大事なスキル。あいづちやうなずきをはじめ、リアクションの大きさは対面の1.5倍を心がけて。拍手をしたり、手で“いいね!”のポーズをしたり、バリエーションを増やすと、会話も弾みます」。話す側も伝わっているか不安なもの。さまざまなリアクションを試して相手の反応を確認すれば、コミュニケーションの質がアップ!
片桐あいさん 人材育成コンサルタント、産業カウンセラー。『オンラインコミュニケーション35の魔法』『これからのテレワーク』(共に自由国民社)など、著書多数。
※『anan』2021年4月21日号より。イラスト・伊藤ハムスター 取材、文・鈴木恵美
(by anan編集部)