憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「シミ・シワ」です。
daily

日差しが強くなり、紫外線が気になる季節です。シミやシワを作らないためにはUV対策ももちろん大切ですが、同時に重視したいのが、体の中のケア。

中医学では、シワは、肌の中身=水分が足りずにしぼむことで起こると考えます。水分、つまり潤いは「陰」のカテゴリーに分類されますが、この陰が不足する「陰虚(いんきょ)」が続くと肌の乾燥のほか、喉の渇きやほてり、便秘などさまざまなトラブルが。爪の縦皺も、体が陰虚に傾いているサインです。

陰が足りないときは、体内の水分を守ることが一番。発汗は肌にいいと考える人もいますが、中医学で汗をかくのを勧めるのはカゼの初期で寒気や悪寒があり、汗をかいていない状態のときと、体内に不要な水分が溜まっているときだけ。乾燥するときは、岩盤浴やホットヨガは控えるのがベター。また、陰は夜、眠っている間に蓄えられるものなので、睡眠時間を確保することも重要。なるべく早く眠ることが、肌に潤いをもたらします。さらに、白い食材には陰を補う力があることも知っておきましょう。いかや豆乳、白キクラゲなどがおすすめです。

気の流れをスムーズにして同時に血も押し流す。

一方、シミを引き起こすのは「血」のトラブル。血の巡りが滞った状態、お血(※)が原因です。お血は痛みのもととなるだけでなく黒ずみも引き起こすのですが、これが肌に現れることでシミに。肌がくすむ、歯ぐきや唇の色が悪くなる、などもお血の典型的な症状です。

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冷えて固まる「寒凝(かんぎょう)お血」に陥っている、あるいは食べすぎによって病理副産物が溜まり、ドロドロとした状態になっている。お血の原因はいくつかあるのですが、いずれにも効果的なのが、ストレッチによって物理的に押し流すケアです。手足を気持ちよく伸ばすことで体を流れるエネルギー「気」の巡りが良くなり、それにつられる形で血も循環を始めます。夜に行えば入眠がスムーズになり、陰を補うのにも役立って一石二鳥です。ぜひ眠る前の習慣に。血の巡りを良くする食材として挙げておきたいのは、うなぎや鮭、さばなどの魚類のほか、酒粕や黒砂糖など。夜のリラックスタイムの飲み物は、肌のことを考えるなら甘酒がよいかもしれませんね。

さくらい・だいすけ 漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。https://yurukampo.jp/

(※)「お」はやまいだれに於

※『anan』2020年4月15日号より。イラスト・原田桃子 文・新田草子

(by anan編集部)

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