パイの実から高級フレンチのパイ包み焼まで。パイと名のつく食べ物は押しなべて人を幸せにするものだけど、『エム サンタ』のパイはちょっと特別だ。「ひとつのものを徹底的に追究したいんです」と、ご店主の三田真穂さん。数々の名パティスリーで経験を積んだ彼女がオープンさせたのは、パイの専門店だった。
ミートパイに、アップルパイに、ミルフィーユ。小さな店内には様々なパイがずらりと並び、焼きたての豊かな香りが立ち込める。かじればわかるのは圧倒的なパイのクオリティ。「とにかく店で粉を挽きたかったんです」と言う全粒粉のパイ生地は、香ばしさの彩度が違う。鮮やかに広がるその香りは、発酵バターのコクと連れ立って豊かな味わいを醸し出すが、それでいて重たさは皆無。その妙は、繊細な温度管理で丁寧かつ迅速に仕上げる技術ゆえ。
もちろん素晴らしいパイ生地には素晴らしい具材が伴走。ミートパイ「黒毛和牛のパテ」など、その本格の味わいにひれ伏したくなる。黒毛和牛を100%使用した逸品は、肉の旨味が直球で飛び込んでくるのだ。
「素材の力を引き出すために、シンプルな味わいを追求しています。だからうちのアップルパイにはシナモンはいれません。その方がりんごの香りを楽しめる」。パイの持つ幸福なイメージに甘んじず、自分を信じて美味しさの核心をまっすぐに射ぬき続ける人が、そこにいる。
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