圧巻のインスタレーションも! フィンランドデザインの巨匠ヴィルカラの日本初回顧展

エンタメ
2025.04.15

《ウルティマ・ツーレ(ドリンキング・グラスのセット)》1968年 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation Collection / EMMA - Espoo Museum of Modern Art. ⒸAri Karttunen / EMMA ⒸKUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2024 C4780

タピオ・ヴィルカラは、カイ・フランク、ティモ・サルパネヴァと並びモダンフィンランドデザイン三巨匠と称されるアーティスト。1915年、フィンランド南部の港町ハンコに生まれ、美術や工芸を学んだ後、広告デザイナーとして勤務。’46年にイッタラ社のデザインコンペで優勝し、同社のデザイナーに起用される。その後、約40年にわたりデザイン界の第一線で活躍し続けた。

SHARE

  • twitter
  • threads
  • facebook
  • line

フィンランドデザインの巨匠ヴィルカラの日本初回顧展。

本展「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」は、そんなヴィルカラの日本初となる大規模回顧展。ガラス製プロダクトをはじめ、木の彫刻やオブジェが集合するほか、ガラスや磁器のテーブルウェア、シルバーやステンレスのカトラリー、照明や家具、ゴールドのアクセサリーなど約300点を紹介。また写真やドローイングなども展示され、繊細で美しく、かつダイナミックなヴィルカラのクリエイションに迫る。

なかでも注目したいのは、ヴィルカラの代表作《ウルティマ・ツーレ》シリーズ。’60年代、フィンランドの最北地ラップランドの小屋で仕事と向き合っていた彼は、溶けおちる氷の様子に着想を得てこの作品を制作した。会場では同シリーズのガラス作品約300個を使った圧巻のインスタレーションを展示。また全長9mにおよぶ同名の木彫りレリーフをデジタル再現し、彼が追い求めた世界の視覚化に挑戦する。

自然の静寂、生命の神秘、ガラス職人の手仕事など、常に自然と人間を見つめたヴィルカラ。彼の作品がいつ見ても美しいのは、それらを敬愛していたからに違いない。

《ボッレ》1967年 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation Collection / EMMA - Espoo Museum of Modern Art. ⒸAri Karttunen / EMMA ⒸKUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2024 C4780

《スオクルッパ》1975年 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation Collection / EMMA - Espoo Museum of Modern Art. ⒸAri Karttunen / EMMA ⒸKUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2024 C4780

INFORMATION インフォメーション

タピオ・ヴィルカラ 世界の果て

東京ステーションギャラリー 東京都千代田区丸の内1‐9‐1(JR東京駅丸の内北口改札前) 開催中~6月15日(日)10時~18時(金曜は~20時。入館は閉館の30分前まで) 月曜休(5/5、6/9は開館) 一般1500円ほか TEL:03・3212・2485

文・山田貴美子

anan2442号(2025年4月9日発売)より

MAGAZINE マガジン

No.2442掲載2025年04月09日発売

カラダにいいもの大賞 2025・春

毎年恒例の人気企画、「カラダにいいもの大賞2025年・春」。ファイナリストに選ばれた実力派ツールや、おしゃれに生まれ変わった漢方アイテム、話題の耳つぼジュエリー体験、シリコンバッグで作る不調解消スープなど、いま気になるホットな話題が満載。timelesz projectで名をはせたダンサーのNOSUKEさんのインタビューも。

詳しくみる マガジン一覧

PICK UPおすすめの記事

MOVIEムービー