日本からも多くの選手が進出を決めている。なかでもシリーズで圧倒的な成績を誇ったのが女子だ。第1戦からそれぞれの大会に出場した選手たちが次々に好成績を収め、さながら日本勢同士で優勝を争う様相を見せるほど。
その充実ぶりは、キャリア豊富な選手たちに加え、中堅選手の成長、さらには若い世代も次々に台頭していることが要因だ。切磋琢磨しながら強化や育成が進む中、圧倒的な選手層の厚さを誇るまでになった今、「世界最強国」と言ってもさしつかえないだろう。
その日本勢にあって中心となるのが坂本花織だ。2022年北京五輪銅メダル、同年から世界選手権3連覇と近年、他の選手を圧倒してきた坂本は、第2戦のスケートカナダ、第4戦のNHK杯で共に優勝。持ち味の技の精度はますます磨きがかかり、表現面でも進化を見せ、一歩抜きんでたところにいる。昨シーズンに続く2度目の優勝を十分狙える。
北京五輪に出場後、1シーズンの休養を挟んだ樋口新葉も復調を見せる。第1戦のスケートアメリカでシリーズ初優勝を果たし、第3戦のフランス大会でも2位となってファイナル進出を決めた。2年後に迫った五輪出場を目指し順調に歩む。
男子では鍵山優真がNHK杯、第5戦のフィンランド大会と連勝し、ファイナル進出を決めた。宇野昌磨が引退し、日本男子のエースとしての活躍がさらに期待される中、4回転アクセルなど異次元のジャンプ力を誇る王者イリア・マリニン(アメリカ)打倒を目指す。
ペアには「りくりゅう」の愛称で親しまれる三浦璃来・木原龍一組が出場。日本のペアの歴史を塗り替える活躍を見せてきた二人だったが、昨シーズンは木原の怪我でシリーズ欠場を余儀なくされた。だが今シーズンはスケートアメリカ優勝、NHK杯2位と好成績を残し、確かな復活を示している。2年ぶりの優勝をかけて大会に臨む。
女子をはじめ、世界のフィギュアスケート界をリードする日本の選手たち。彼らの大舞台での演技を見逃すわけにはいかない。
INFORMATION インフォメーション
フィギュアスケート ISUグランプリファイナル
日程:12月5日(木)~8日(日)
開催地:フランス・グルノーブル
テレビ朝日で放送予定、テレ朝動画で配信予定。