遠藤憲一(以下、遠藤):雑誌の撮影以降、「この6人で本当にやれたらいいよね」って、ずっと飲みながら話してましたよね。
田口トモロヲ(以下、田口):大杉さんは実際に、企画実現に向けて動いてくださっていて。
大杉連(以下、大杉):微力ながらね。6人がやりたい思いを共有しているなら、かすかな可能性でも残しておけば、実現できるかなと思って。
松重豊(以下、松重):大杉さんは、他の現場でお会いするたびに「あの企画を温めている」と仰ってくださって嬉しかったです。で、実現したのが深夜の連ドラ、しかもテレビ東京。テレ東、なかなか挑戦してきたなと(笑)。ネットが揺れ動くような枠だから、普通の連ドラになってしまったら、叩かれてしまう。そういったことを多少なりとも意識して攻めないと、とは思います。
寺島進(以下、寺島):ごまんと役者がいる中で、この6人のひとりに選ばれて、役者冥利につきますよ。選ばれてない人たちを納得させる作品にしなきゃいけない。
松重:そんなコンセンサスがとれたのが、ロケ先の館山での最初の飲み会。「誰も見たことのない作品にしよう」と熱く語り合ったいい会だったんだけど、お会計で光石さんが…。
田口:物申した(笑)。
松重:割り勘にしたらひとり頭8200円で、光石さんが「8000円超え!?」って(笑)。
大杉:長い付き合いだけど、あんな光石研は初めてだったなあ。
光石研(以下、光石):物申してませんって。完全にフィクションですよ(焦)。確かに、帰りに乗せていただいた大杉さんの車の中で、「ちょっと高くなかったですか?」「高かったですよね!?」「絶対に高かった!」って確認はしましたけど…。
田口:(笑)。とにかく僕は、みなさんと飲んで話せるのが楽しいんですよ。人見知りなのに、こんなに喋る現場は初めてなんじゃないかな。残りの人生の思い出作りとしては最高の現場です。生きててよかった!
大杉:大げさな(笑)。
――ドラマは、6人の役者が共同生活している設定ですが、疑似体験しているような撮影生活なんですよね。
大杉:年いったおじさんたちの修学旅行のようです(笑)。
光石:部屋も並んでいるから、飲んで宿に戻ってきて、寝るギリギリまでいっしょですしね。6人が一斉に揃うのは初めてという中で、泊まり込んでの撮影は、全員の足並みが揃うのに役立ってるところがあります。
大杉:タイトな撮影ですが、みんなで過ごす時間は作品にいい影響があると思いますよ、本当に。
寺島:実際にお酒飲んで、バカ話をしてるトークコーナーもありますし。僕らが本チャンで飲んで本音で話している様子を視聴者が覗き見られるのって面白いんじゃないかな。映画は覗き見から始まっているわけで、ある意味、映画の原点のようなことをやっているとも言えると思うし。
田口:あのコーナーは、自然と役割分担ができてますよね。松ちゃんは、理路整然とした知性担当。
遠藤:寺ちゃんは「共演者NG」のテーマの時、ピー入れないとダメなことばっかり話しちゃってさ(笑)。
大杉:で、これまでいちばん冷静だと思われていた光石さんの知らない側面を知れた(笑)。僕はそれが、ほんとうに嬉しい!
光石:その話に戻らなくていいですから(苦笑)。