みなさん、学校や職場に先輩や後輩がいると思いますが、上の人と下の人、どちらと一緒にいる方が好きですか? 僕は、ミュージシャンの先輩方に気に入っていただけることは多少あるのですが、後輩からの支持があまりないことで有名です。慕ってくれる後輩というのがなかなかいない。いや、まったくいないと言っていいです。ハンブレッダーズのベース、でらしくんなんかは「体育さん、体育さん」と慕ってくれますが、彼は“後輩”するのがとにかく上手なタイプ。年上の方の誰に対しても分け隔てなく、懐に入る才能に秀でているんです。後輩上手な、でらしくんみたいなタイプじゃないと、僕は先輩らしくふるまう機会がないんです。
なぜ、ここまで後輩に人気がないのか? マネージャーの松下にガチで相談するくらいに悩んではいます。そんな僕への松下からの回答は「体育さんは、話しかけるなオーラが常に出ているから」とのことでした。僕自身はそんなつもりはないのですが、まったく同じことを夜の本気ダンスの鈴鹿(秋斗)くんにも言われたことがあるので、もしかしたらそう見えてしまっているのかもしれません。話しかけてほしくないわけではなく、単純に僕が出無精で、フェスなどに参加しても積極的に他の出演者の方々とコミュニケーションをとろうとしないのが原因なのでしょう。フェスでは大抵の場合、楽屋がミュージシャンたちそれぞれにあり、お互いに交流をするのはごはんを食べるところなど楽屋外のエリアになります。夏だと外は暑いし、汗をかきたくないので、僕はできるだけクーラーの効いた楽屋にいたい。それゆえに、挨拶もそこそこで楽屋に引きこもってしまう。それが後輩たちからしたら「話しかけにくい」原因になっているのではと思いました。後輩は欲しい、でも涼しい楽屋から出たくない。このジレンマはいつまでも解消できなさそうです…。
引きこもりがちな先輩と仲良くしてくれるちょうどいい距離感の後輩ミュージシャンはいないものでしょうか? こってりとしたラーメンのような濃すぎる人間関係はちょっと苦手、軽くざるそば食べるくらいの関係で先輩後輩を感じたい若手ミュージシャンの方、いるならぜひ岡崎体育に声をかけてほしい。小腹を満たすくらいの、ちょうどいい先輩感はお出しできると思います。お待ちしてます!
おかざきたいいく 7/24(水)「宇治フェス ~DREAM & FUTURE~」(宇治市文化センター)に出演。秋には、ホールワンマンTOUR「盆テク博覧会」を全国5か所で開催。
※『anan』2024年6月19号より。写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND) 文・梅原加奈
(by anan編集部)