『柚木さんちの四兄弟。』で長男役に! 藤原大祐「弟たちに気づかされることが多いです」

エンタメ
2024.06.13
事故で両親を失った4兄弟が支え合いながら生きる日常を描くドラマ『柚木さんちの四兄弟。』で、親代わりとして一家を支える長男の隼を演じる藤原大祐さん。年の離れた弟たちやご近所さんの温かい触れ合いに、ほっこり癒されるホームドラマとなっている。

藤原大祐

藤原大祐 柚木さんちの四兄弟。

――若手俳優の登竜門ともいわれているNHK夜ドラ枠で、ドラマ初主演ですね。

主演は役に入っていられる時間が長くて、それはすごく贅沢なことだと実感しています。ただ、座長としてどんと構えられるほどの経験も実力も僕にはまだないので、現場では3人のお兄ちゃんとしていることだけを意識しています。

――これまでの出演作に、ロールモデルになるような主演の方はいましたか?

直近だと『リビングの松永さん』の中島健人くん。みんなを引っ張っていく座長らしいところもあれば、お茶目に現場を明るくしてくれて。そのバランス感覚がすごく素敵だと思いました。

――これまで学園ドラマで生徒役を演じることが多かったですが、このドラマでは教師役です。

最初は、生徒役と教師役とのギャップに戸惑いもあったんですけど、このドラマで大事なのは、4兄弟の関係性であったり、何でも一生懸命取り組む隼の愛おしさだと思うので、教師という設定に囚われず取り組んでいます。

――年下に囲まれてのお芝居はいかがですか?

弟たちに気づかされることが多いですね。ごはんを口いっぱいに入れちゃって台詞が言えなくなっちゃったり(笑)、暑い日のロケでアイスを食べると急に元気になったり、すごく自然体なんですよ。今まではキャラクターの設定を強く意識して演じてたんですけど、今回はありのまま演じるという新しい芝居のアプローチをしています。弟たちはすべてがかわいくて、みんなが20歳になった時が楽しみで仕方ないんです。その時も活躍していてくれたら嬉しいし、また共演できるように僕も頑張りたいです。この仕事から離れていたとしても、幸せに暮らしていてほしいんですよね。

――兄弟愛に溢れていますね。

僕は実生活では一人っ子で、お兄ちゃんがいたらいろんなところに連れていってもらえるのかな、お姉ちゃんがいたら女の子の考え方が知れるんだろうなって、憧れてきたんです。この作品を通じて、兄弟のよさを知ることできましたし、親の愛を独り占めできる一人っ子のよさも改めて感じました。

――ちなみに4兄弟だったら、どのポジションがいいですか?

絶対末っ子! 下の子がいると面倒みなきゃいけないんで(笑)。頼られたり甘えられたりするより、自分が甘えたいです。

――ドラマの末っ子・岳は小1ですが、藤原さんはどんなお子さんでしたか?

『プリキュア』や『仮面ライダー』に憧れていて、岳と同じ小学1年生の時は『ドラゴンボール』のスーパーサイヤ人になりたくて、ひたすらかめはめ波を出す特訓をしてましたね(笑)。『空想科学読本』というマンガやゲームの世界を科学的に考察する本に、何十日か気を溜めればちょっと出せるって書いてあったので、実践したんです。授業中も机の下でこっそり溜めてました(笑)。

――中学生になってから、たくさんスカウトを受けたそうで。

背が伸びたからだと思うんですけど、いろんな場所でスカウトしてもらいました。ある時、知らない人が近づいてきたから「スカウトですか?」ってこっちから聞いたら「いや、道を聞きたいんですけど…」ってことも(笑)。あの時は恥ずかしかった…。

――最初の現場で、演技で感情を表に出すことへの照れくささみたいなものはありましたか?

それはなかったんですけど、完成作を見たら想像以上に芝居ができてなくて…。その悔しさをバネに頑張ってきたところがありますね。最近は、オモロイ人間であることが、魅力的な芝居に繋がるのかなと思っています。

――“オモロイ人間”とは?

予想外なことで楽しませられる唯一無二の人。今度の作品は、どんな役をやるんだろうと楽しみにしてもらったり、藤原大祐が出てるから見たいと思ってもらえる俳優になりたいです。僕にとってそういう方は、日本だと山田孝之さんや柳楽優弥さん。くすっと笑っちゃうようなユーモアのあるお芝居も、めちゃくちゃ怖いお芝居もなさるじゃないですか。演技の振り幅が大きくて、「今回はこうきたか!」って毎回思わせてくださるので、新しい作品でお二人の芝居を見るのが楽しみです。

――同世代に切磋琢磨する俳優仲間は?

’20年に『恋する母たち』というドラマで共演した宮世琉弥と奥平大兼ですね。本気で仕事に取り組んでることを知っているので、リスペクトしてます。もちろん負けてられないなとも思うし、ライバルではあるんですけど、悔しいとかそういう感情は超越してますね。お互いが出てるドラマを一緒にツッコミながら見たり、たわいのない話をする親友って感じです。

新米高校教師で長男の隼、クールな次男・尊(大野遥斗)、元気いっぱいの三男・湊(山口暖人)、しっかり者の四男・岳(永瀬矢紘)は、互いに思いやりながら明るく暮らす柚木家の4兄弟。何気ない日常の中で、ささやかな事件が起きても、4兄弟が寄り添いながら乗り越えていく。夜ドラ『柚木さんちの四兄弟。』は、毎週月~木曜22:45~NHK総合にて放送中。

ふじわら・たいゆ 2003年10月5日生まれ、東京都出身。’19年、CMでデビュー以降、ドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』などで注目を集める。’22年、『追想ジャーニー』で映画初主演。出演ドラマ『リビングの松永さん』では、切ない演技が話題を呼んだ。俳優活動の傍ら、’23年、シンガーソングライターとしてもEP『SHOW TiME』でメジャーデビュー。

シャツ¥4,950(CASPER JOHN/シアン PR TEL:03・6662・5525)

※『anan』2024年6月19日号より。写真・竹内 誠 スタイリスト・勝見宜人(Koa Hole inc.) ヘア&メイク・佐々木麻里子 インタビュー、文・小泉咲子

(by anan編集部)

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