「焦がれる」は「好き」の一部ではあるものの、切なさや激しさが入り混じった、より複雑な感情なのかもしれない。こう森さんの本作『焦がれあい』は、そんな焦がれる思いが交差する恋愛模様を、丁寧に描いている。
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「最初はもっとシンプルに幼なじみの関係を描こうと思っていたのですが、何度も描き直すなかでキャラクターも増え、今の形になりました」

朝日かなは、家が近所で2歳上の望月薫ときょうだいのように育ち、自分にとって薫は「21年間の全て」と思っている。高校卒業後、薫は東京へ。離ればなれの5年間を過ごし、かなも彼を追って上京する。

「かなを妹っぽいキャラにしたのは、好きっていう感情だけで動いてしまうような子にしたかったから。若いからこそというのもありますが、かなは良くも悪くも素直で、好きだったら相手に伝えていいと思うし、自分の気持ちが迷惑になるかもしれないなんて疑いもしない。だから行動力があるんですけど、薫は逆に頭で先に考えてしまう理性的なタイプ。しかもその考えが顔に出ないので、最悪の場合まで想像して、自分自身が壁になってしまうのです」

かなは言葉にこそ出さないものの、薫への思いを隠そうとしない。対して薫は、かなをあくまでも妹扱い。そして上京早々、つい最近まで薫が恋人と同棲していたことが発覚する。しかも元カノ・夕紀とかなは、すでに別の場所で出会い、お互いに好意を抱いていたのだからややこしい。

「かなと夕紀も正反対の性格。幼なじみのかなと薫は特別なつながりなのに対して、夕紀と薫の間にもかなは入り込めない部分がある。ライバルだと発覚したときに、お互いを羨ましがる関係にしたかったのです」

さらにかなの職場の先輩で、薫や夕紀と大学の同期である陽太も加わり、個々の思いが絡まり合う。

「現実も、恋愛がうまくいくのはひと握りだったりするじゃないですか。結果が見えているのに好きになってしまい、行かずにはいられないのが恋愛だと思うのです。物語におけるキャラクターの立ち位置や役割があるとしても、それぞれのバックボーンを無視せず、“この人ならどう考えて、どう動くか”をしっかり考えて描きたいと思っています」

思いが募り、焦がれ合う先には、どんな展開が待っているのか。

「『焦がれる』は恋愛だけでなく、友情や尊敬のような関係性にも当てはまる言葉だと思うので、縛られずに描けていけたらいいですね」

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こう森『焦がれあい』1 ずっと一緒だった幼なじみのかなと薫。離れて暮らした5年の間、恋愛に興味のなさそうだった薫に恋人がいたことが発覚。ヒリヒリ感がたまらない恋物語。集英社 715円 ©こう森/集英社

こうもり マンガ家。2018年デビュー。現在『ココハナ』(集英社)にて『焦がれあい』、「webアクション」(双葉社)にて「夜のまにまに」連載中。

※『anan』2023年1月18日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子

(by anan編集部)

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華やかなお誘いに⼼が揺れやすい時ですが、上辺の繋がりに流されないよう気をつけて。違和感のある関係や無理に合わせる付き合いからは、そっと距離を置いて⼤丈夫です。今は優劣を競ったり⾼望みしたりするよりも、謙虚であるように努めて⾃分を律するほうが⼤事。その姿勢こそが本当に信頼し合える仲間を引き寄せます。

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