海外から逆輸入の超個性派ユニット“新しい学校のリーダーズ”
MIZYU:結成2年目ぐらいまでは、取材で「リーダーズとは?」とか「はみ出していくとは?」って聞かれてもはっきりと答えられなかった。それで自分たちのことをわかってないんだなって思って4人で話し合うことがめっちゃ増えた。そこで進むべき道が見つかった感じがするよね。
KANON:コンセプトに縛られていたところから、個性や自由っていうものを本質的に噛み砕けるようになった。そこから本当の自分たちになれていった気がする。
RIN:メジャーデビューのタイミングからH ZETT Mさんに楽曲を作っていただいて。生バンドのサウンドになって、そこで背伸びしながら、自分たちが表現できることと向き合ったのも今に繋がってるよね。
MIZYU:そこからすごく変わったと思う。生バンドの音って、いわゆるダンス&ボーカルグループ的な振り付けをしても全然合わなくて。そこで試されて、自分たちなりの振り付けの表現ができるようになっていったと思います。
SUZUKA:全力でやることがはみ出していくことじゃないって気づいたんですよね。そこから冷静に、この曲の振り付けはこれぐらいやらないとインパクトないな、っていう感覚が身についていった。
――昨年、アジアのカルチャーを世界に発信するレーベル「88ライジング」から全世界デビューを果たした。楽曲制作のためロスに2か月半滞在。そこでまた大きな変化があったという。
KANON:世界デビューって日本で売れてからするイメージだったので、「先に世界に行くの?」っていう不思議な感覚でした。
RIN:プロデューサーの(マニー・)マークとの制作では、英語が喋れないので、その辺にあったものを叩いて音を出して「これ使えるね?」「Good!」みたいな感じでやりとりしてました。良い音が生まれたらみんなと波長が合ってる感じがしたり、みんなでビートを感じて踊ったり、音楽には国境がないってこういうことなんだ、って思った。
KANON:パフォーマンスを見て「面白い!」って言ってくれた人もいっぱいいたし、言葉がなくてもこんなに伝わるものなんだ? って思ったよね。
MIZYU:何にも代えられない時間をロスで過ごしてこの4人に対する愛がすっごい深まりました。その後のライブ映像を見たら4人の顔が全然違った。それまでは「私たちが作ったものを見て!」って感じだったけど、「私たち楽しいよね?」って4人がお互いに言ってる感じ。すごくハッピーなマインドになりました。
SUZUKA:気持ちも変わったし、楽曲も88ライジングから出すことを意識し始めた。わしらの可能性は無限大で、わしらが楽しめば何でも正解。だからヒップホップもハードテクノも何でもできる。
MIZYU:私たちと掛け算したら何でも面白いって感じだよね。
KANON:いろんなことに挑戦したいなと思うようになったし、全部に対するスピード感がすごく速くなった。
SUZUKA:アメリカってスピードが遅いとみんなすぐに他に行っちゃう。だから作ったらすぐにアウトプットして、「もう作ったから見て!」みたいな。
RIN:最初はそのスピードについていかないと! って感じだったけど、今は追い抜かして「こっちに来い!」っていう感じになったよね。
――7月には再び渡米する予定の彼女たち。今のビジョンとは?
SUZUKA:いろんな国に行きたいです。日本のカルチャーがあるように、国それぞれのカルチャーがある。私たちは良い意味でどこでもアウェイ。でもどこにでもぶっ刺せるって思ってます。
KANON:他の国のカルチャーとリーダーズを掛け合わせたらいろんな可能性が生まれると思うから、それをどんどん見つけていきたい。
MIZYU:国によって刺さるポイントも違うだろうしね。
――では、新しい学校のリーダーズが思う“ボーダレス”とは?
SUZUKA:セーラー服を着てるけど女の子らしくかわいくっていう方向性じゃなく、当たり前のようにボーダーを吹っ切って、むしろ男よりかっこよくパフォーマンスしてる。
MIZYU:“女子力”っていう言葉を絆創膏とか持ってる力じゃなく、馬鹿力がある女子の力みたいに思ってるよね。
RIN:4人でセーラー服着てるっていうだけで、性別の壁も年齢の壁もなくて、「今の私たちを見て!」っていう気持ち。
SUZUKA:ファンの方もいろんな年齢層がいらっしゃって。青春って学生だけのものじゃなくて、夢中になるものがあればいつも青春。私たちのライブでは、いろんな邪念を取り除いてピュアに夢中にさせる。一種の解放が味わえると思うので、「ライブにおいで!」っていう感じです。
KANON:私はリーダーズの活動してない時はそれこそ「女子!」って感じだけど、リーダーズでは頭振りまくってるし(笑)。別の自分を解放できるのもこのグループのすごさだと思う。
SUZUKA:お客さんにもリーダーズのライブでめっちゃ首振って解放してほしいよな(笑)。
KANON:ボーダレスって解放かもね。見た目やいろんな枠に囚われない。新しい姿を見つけるっていう。
MIZYU:「楽しいな」って思ってやってたら、いつの間にかいろんなものがぶち壊れてた(笑)。
SUZUKA:でもルールは破らないよな。越えちゃいけない一線は絶対に守るよな。
MIZYU:スカートの丈も守った上で自分を解放する…!
KANON:そこは絶対的なお互いの信頼関係があるからね。
あたらしいがっこうのりーだーず 右から、RIN、MIZYU、KANON、SUZUKA。「歌い踊るセーラー服、青春日本代表」と称し、2015年7月から全国各地でライブ活動をスタート。’21年1月、NYを拠点にするレーベル「88ライジング」から「NAINAINAI」で世界デビュー。
新しい学校のリーダーズ OFFICIAL WEBSITE
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※『anan』2022年6月22日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE) ヘア&メイク・youca 取材、文・小松香里
(by anan編集部)