一本の動画がバズったことが、夢であったメジャーデビューへと繋がった!

――お二人の出会いから「草森」をTikTokにアップするまでの過程を教えてください。
なかねかな(以下、なかね):安井のYouTuberユニットの元・相方が、すごくラフに安井を紹介してくれたんです。そこで、私の体験談を話したら、「それ面白いから、ここにギターもあるし、曲にして投稿しちゃおう」ってことでTwitterに上げた動画が、まず伸びまして。
ゆでたまご安井(以下、安井):それから、週1でお互い面白い話を持ち寄って、かなちゃんが歌詞にして、僕が曲を作って、撮って上げるというスタイルを続けて。
なかね:安井はいつも手ぶら(笑)。私は忘れないようにスマホのメモにネタをいっぱい書いておくんですけど、「草森」も、TikTokで本当にきれいな顔した外国人が自撮りしてる動画を見てたら、そのコメント欄がネタ化してたのが面白くて作ってみただけで…。
安井:できました、上げました、…え、バズった!? みたいな。なかね 上げてから3~4日は全然気づかなくて、急に視聴回数が増えても、バズった実感がないまま数日が経って、テレビ出演やメジャーデビューの話がきてようやく、そんなことになってたんかと。
――他のSNS動画サイトではなく、バズったのがTikTokだったのはなぜだと思いますか?
なかね:YouTubeやTwitterにも、ブ~ンってエアコンの音も全部入っているような撮って出しのものは上げているんですけどね。
安井:ボイスを録り直すでもなく、携帯直撮りやもんな(笑)。
なかね:TikTokもそれは同じなんですけど、当時のTikTokは動画の尺が60秒までだったんで、1.2倍に速度を上げてアップしたんです。そのテンポが耳に残りやすくて、短い動画をバンバンスワイプしていくTikTokにハマったんじゃないかと。
安井:TikTokは、テンポを上げたことでシンプルに聴きやすくなったんかなと思います。
なかね:「草森」のメロディがキャッチーで使いやすかったんでしょうね。楽曲がいろんな人に使われてどんどん広がっていきました。大好きなチョコプラの長田さんに使ってもらえたのはめっちゃ嬉しかった! TikTok、夢あるわ~(笑)。
安井:他のSNSで0フォロワーからいきなりバズるのはかなり難しいけど、TikTokはレコメンド機能があるので、明日にでも有名になれる可能性がありますね。
なかね:TikTokは尺が短いから、制作のプロの手を借りずとも、芸能人にも太刀打ちできるんです。内容が面白ければ伸びる。それだけのシンプルな世界なんで、1日で芸能人よりフォロワーが増えるとか普通にあります。
安井:夢を掴むにはぴったりだけど、まずは始めないと。
なかね:そして、内容はどうであれとにかく続ける! うちらがデビューできたのも、7割8割、継続の力だと思ってるんで。
安井:とにかくたくさんの人が利用しているので、面白さやカッコよさは、無限の視聴者が見つけてくれる。始めて続けていれば、きっと何か起こります!
――お二人はアーティストとしてメジャーデビューを目指してSNS活動されていたんですか?
なかね:私は色々な道を模索していたけど、安井はアーティスト目指してまっしぐらでしたね。
安井:音楽をずっとやりたくて「世界的アーティストになる」って言ってきました。そしたら、こんな形でデビューできました!
なかね:ギターのチューニングは合ってない、4つしかコード弾けない、だけど世界を目指すって曲作ったけど、夢、叶ってるな。
安井:コードはAが弾けるようになったから、今は5つ。
なかね:そうだ。1個増えたのはビッグニュースなんで、ぜひ書いてあげてください(笑)。
安井:でも、絶対にみんなが挫折するFは覚えんとかんとく。僕は挫折を乗り越えず、進むわ。作曲は天賦の才能でできるし。
なかね:黙れ(笑)。でも、この日本一ロークオリティなアーティストがこのままMステに出られたら…夢あるなぁ!

なかねかな 1995年12月6日生まれ、東京都出身。劇団四季の研究生を経て、活動をスタート。主に作詞を担当。
ゆでたまごやすい 1995年5月30 日生まれ、大阪府出身。主に作曲を担当。
※『anan』2021年9月15日号より。写真・小笠原真紀 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)