「コロナによる自粛期間中、ライブがしたくてもできないし、めちゃくちゃファンに会いたくて。もう、その気持ちを曲にするしかないなと思ったんです。これまでは嫌なことがあるとすぐSNSに書いていたけど、世の中が落ち込んでいる今はポジティブな発信だけをしたいなと思ったこともあって。少しだけ大人になりました(笑)。結構、悔しい思いをした時に、“うおぉ~!”となって曲を書くことが多いです。ノっている時だと3時間くらいですべての楽器パートも含めて作り終わることも。これまでは、『教習所』のように日常に起こった本当のことを曲にしていたけれど、最近は、7割くらいが妄想の曲になりました」
今作には、Creepy Nutsをはじめ、コラボした楽曲も多い。
「『ニーゼロニーゼロ』は、私がメロディ作りとパート分けをしました。“ここにラップを入れてください”と投げると、ラップが入ったものが返ってきて、さらにお願いをして、というやりとりを重ねてできました。玉屋2060%さんと共同制作をした『偏差値2ダンス』は、UNOで負けた方が言うことを聞くという勝負で私が勝って生まれた曲です。UNO、めちゃくちゃ強いんですよ。現場で一緒に打ち込みをしたのですが、それぞれベクトルの違う感性がぶつかり合いました。サビに向かう部分のシューッという音は、『これを声で入れたらよくない?』と冗談で言ったら『いいね!』と採用されて驚きましたね。自分だったら入れなかっただろうし、すごく刺激的でした!」
読者へおすすめの曲を尋ねると。
「『顔ドン』は、別れた相手にイライラを感じている人には絶対に共感してもらえるはず。〈さよなら全てのゴミクズよ〉とカラオケで歌ってすっきりしてください! どの楽曲の歌詞も1年前の私には書けないものです。人って周りの声が聞こえたりして、だんだん純粋な自分でいられなくなりますよね。そんな時に私の曲を聴いて、“自分、天才!”と思ってもらえたらなって」
中国のサイトで眉村さんが紹介された時に書かれた「日本元気女歌手」が気に入りタイトルに。1曲目にはオペラ『魔笛』の難曲を収録。【限定盤(CD+BD)】¥5,500 【通常盤(CD)】¥3,000(TOY’S FACTORY)
まゆむら・ちあき アイドルであり、作詞、作曲、編曲トラックメイクまでを自ら行う。(株)会社じゃないもんの社長でもある。12/14には日本武道館でライブを行う。新曲「36.8℃」が映画『10万分の1』の挿入歌に。
※『anan』2020年12月16日号より。写真・内山めぐみ 取材、文・重信 綾
(by anan編集部)