出会った女性がネタの源という横澤夏子さんが、街で見つけたいい女を実演。今回は、相手が喜ぶポイントを知る女性になりきり。

意外な角度からの感謝の言葉に胸を打たれました。

2227 yokosawa natsuko

以前、夫と一緒に旅館へ宿泊した時のこと。そこは、割烹料理が名物のひとつで、しっかりとした食事がついてきます。夕飯を楽しみ、翌日に朝ごはんを美味しくいただいていたら、宿の女将さんに「昨日はきれいに食べてくださってありがとうございました」と言われたのです。たしかに、食事がすごく美味しく、釜に入った白米が一人ひとつついてくるのですが、私はしゃもじにしゃぶりつくような勢いで食べていました。でも、本来ならば、こちらが「美味しい料理をありがとうございました」と言う場面であるはずなのに、そんな感謝の仕方をされると思っていなかったので驚いたし、同時に、すごく嬉しい気持ちになったんです。食事を残さず食べて褒められるなんて、子どもの時くらい。私からの「美味しかったです」というメッセージをちゃんと受け取っていただけたんだと思ったし、自分の行動を褒められて気分が上がるランキングで、かなり上位に入るものでした。また、そんなふうに喜んでいただけた姿を見て、生産者の方が手塩にかけて作った野菜が流通に乗り、この旅館へ来て料理長の手により美味しい食事になるという、料理ができるまでの重みまで感じることができました。そんなふうに、いろいろな思いを伝える言葉を、さらりと言うことができる人は素敵ですよね。

まずは、自分の手料理を誰かに食べてもらった時に、“食事を楽しんでもらえたのなら嬉しいな”という気持ちを込めて、「きれいに食べてくれてありがとう」というフレーズを言ってみるところから始めてみましょう。相手から、「美味しかったよ」と言ってもらいやすくなる、先手を打つセリフにもなりそう。この一言が言えたら、ワンランク上の人間になれた気がするはずです!

よこさわ・なつこ 芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。婚活で培ったテクニックをまとめた著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。2月に第一子を出産。

※『anan』2020年12月2日号より。写真・中島慶子 イラスト・別府麻衣 文・重信 綾

(by anan編集部)

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見立ての甘さや準備不足などから壁にぶち当たる経験と、そんな自分の未熟さを省みるという意味の日です。何かに挑戦するというのは勇気のあることですが、周りから無謀だと止められるほどのことであれば、冷静になって考え直すのも大切なことです。日々実力をつけながら、味方を得たうえで改めて挑めばいいのですから。

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