縁の下の力持ち。アシスタント力を養うには?
私はこれまで虫歯になったことがなかったのですが、先日、親知らずを抜きに歯医者さんへ行きました。そこで、唾液を吸う器具の扱いが、ものすごく上手な歯科助手さんに出会ったんです。“この人に唾液の分泌を操られているんじゃないの?”と思うくらい、すごくいいタイミングで吸引をしに入ってきてくれる。それに、ちょっと血が出たなと不安に思っていたら即座に「大丈夫ですよ~」と声をかけてくれる。口の中を見るための鏡も見えやすい位置にスッと入れてくれるし、同時にライトの場所も動かしてくれました。最後に、「抜いた親知らずはいりますか?」と聞かれてどうしようかと悩んでいた時には、「みなさん、結構、持っていきますよ」と、アドバイスまで…! 先を読みながら、いくつもの手を持っているかのような手さばきで、身の回りのお世話をする神業ぶりに感動しました。しかも、先生にも気を使わなければいけないお仕事。“助ける手”と書いて助手ですが、まさにそうだと思いました。前に出すぎず、でも仕事を全うして、物事をスムーズに運んでいく。人間力を感じたし、団長より副団長がモテるのと同じ原理で、人にも愛されそう。歯科助手には漠然ときらびやかなイメージがあったけど、こういうお仕事だったんだと、あらためて知ることができました。
サポート力を学ぶには、料理番組で見切れるスタッフさんの動きを見るのがいいと思います。以前、『きょうの料理』に出演した時には、ディレクターさんが準備や後片づけを先回りしてくれるスタッフさんのことを天使と呼んでいたのですが、たしかに出演者が移動するだけで料理ができていく様子を見て、“なるほど”と思いました。世のアシスタントさん、本当にすごいです!
よこさわ・なつこ 芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。婚活で培ったテクニックをまとめた著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。2月に第一子を出産。
※『anan』2020年9月23日号より。写真・中島慶子 イラスト・別府麻衣 文・重信 綾
(by anan編集部)