2020年新春。笑う門にも胸アツにもHAPPYきたる。
お杉:新しい年に向けて、痛快ムービーでパワーを注入したい。まずは『サイゴン・クチュール』。小さな洋裁店を切り盛りする家族ドラマかと思いきや、SFファンタジー。
B子:老舗アオザイ店の娘ニュイが、‘60年代のサイゴンから現代にタイムスリップ。自己チューな自分の行く末を知り、運命を変えるべく奮闘するの。
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お杉:ミス・サイゴンを鼻にかけ、わがまま放題のニュイが笑える、笑える。でも、改心した彼女の成長は素直に応援したくなるんだよね。
B子:ガールパワー全開だし、ポップでキッチュな世界観が、ベトナム映画新世代を感じさせる。ファッションデザイナーを目指す展開だから、最新ブランドもののみならず、華麗なアオザイで楽しませてくれる。
お杉:なぜ、ニュイはアオザイの良さがわからないのか不思議なくらい。
B子:若いときは伝統の素晴らしさが理解できないのかもね。『燃えよスーリヤ!!』では空手の精神を知ってびっくり。百人組手なんて極真空手の大山倍達(ますたつ)かと思ったよ。
お杉:生まれながら痛みを感じない体質のスーリヤは、カンフー映画に衝撃を受けて、悪を倒すべく修行を重ねるの。そんな彼が初恋の少女スプリと再会。アイデンティティと正義のために戦っちゃいます。
B子:痛みを感じないから、死と隣り合わせ。おかげで過保護に育ったスーリヤは、とっても純真。だから、子ども時代の価値観のまま突き進む。祖父の教えを守り、常に水を飲めるように水タンクを背負ってるし。
お杉:インパクト強いシーンの連続よね。しかも、インドにおける女性の地位も浮かびあがらせ、エンタメしつつ、けっこう社会派な一面も。
B子:スーリヤ役のアビマニュ・ダサーニーはこれがデビュー作だけど、アクション演技が素晴らしいからハリウッド入りもあるかもね。
お杉:『エクストリーム・ジョブ』のアクションもいい。とはいえ、それはラストのお楽しみ。なにしろ、失態続きの麻薬捜査班が、捜査のためにチキン店を偽装営業しちゃうんですから。
B子:そのチキンが絶品で商売大繁盛。捜査そっちのけになっちゃって、さあ、どうなる! ってお話。この「水原カルビチキン」が、ほんとおいしそうなの~。
お杉:捜査員たちのキャラも濃いめの味付け。『サイゴン・クチュール』の好青年役のS.Tもかわいかったけど、新米刑事役のコンミョン(5urprise)もかわいい。どこの国でもアイドルは侮れないわ。
B子:チキン刑事たちが追う悪党役もチャーミングっていうの? 強面なのに、言動が笑える。子どものケンカみたいだし。
お杉:そんな笑いのなか、捜査班がキレキレのアクションを見せるわけ。メリハリ利きまくりよ。
B子:まじ、胸がすっとしたわ。
お杉:胸アツなのは『ティーンスピリット』。イギリスのワイト島に住むポーランド移民の高校生ヴァイオレットが歌手を目指して、世界的オーディション番組『ティーンスピリット』に挑む。
B子:上昇志向が強いわけじゃないけれど、閉塞感に満ちた現状を変えたい10代の歌ウマ少女に、エル・ファニングがハマってる。
お杉:歌唱力もあるよね。オーディションでの熱唱には魂が揺さぶられた。さすが『ラ・ラ・ランド』の音楽スタッフが再結集した作品。
B子:元オペラ歌手ヴラドや友達の助けを借りてオーディションを勝ち抜くヒロインの成長は本当に胸アツ。新春早々、気分がアガる。
『サイゴン・クチュール』 監督/グエン・ケイ、チャン・ビュー・ロック 出演/ニン・ズーン・ラン・ゴック、ホン・ヴァン、ジエム・ミー 9X、オアン・キエウ、ジエム・ミー、S.Tほか 新宿K's cinemaほかにて公開中。©STUDIO68
『燃えよスーリヤ!!』 監督・脚本/ヴァーサン・バーラー 出演/アビマニュ・ダサーニー、ラーディカー・マダン、グルシャン・デーヴァイヤー、サルタージ・カッカルほか 12月27日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開。©2019 RSVP, a division of Unilazer Ventures Private Limited
『エクストリーム・ジョブ』 監督/イ・ビョンホン 出演/リュ・スンリョン、イ・ハニ、チン・ソンギュ、イ・ドンフィ、コンミョン、シン・ハギュン、オ・ジョンセほか 1月3日よりシネマート新宿ほか全国公開。© 2019 CJ ENM CORPORATION, HAEGRIMM PICTURES. CO., Ltd ALL RIGHTS RESERVED
『ティーンスピリット』 監督・脚本/マックス・ミンゲラ 出演/エル・ファニング、ズラッコ・ブリッチ、レベッカ・ホール、アグニエシュカ・グロホウスカほか 1月10日より角川シネマ有楽町ほか全国公開。© 2018 VIOLET DREAMS LIMITED.
お杉とB子 ‘19年ベスト1は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。人間に注ぐ視線に、タラちゃんのイメージが変わった。(お杉)アダム・サンドラーが初めて、オスカー候補になるかもとワクワク中。でもサフディ兄弟作品だと、無理かしら?(B子)
※『anan』2019年1月1日-8日合併号より。
(by anan編集部)