コートールド美術館は、ロンドン大学に付属する美術研究所の展示施設として1932年に開館。美術史と保存科学の研究の場としても世界で知られた存在だ。所蔵品の中心となっているのはイギリスの実業家サミュエル・コートールドが収集した印象派&ポスト印象派の作品。改修工事を機に、世界有数とも呼ばれるコレクションが日本にやってきた。

研究機関ならではの鑑賞法で読み解く、印象派の名画。

まず見逃せないのがマネ最晩年の傑作《フォリー=ベルジェールのバー》。こちらはマネが亡くなる前年に発表された大作で、来日するのは約20年ぶり。また英国随一の充実度を誇るセザンヌの油彩10点をはじめ、ゴーガン、ルノワール、ドガ、ロートレックなど巨匠らの傑作も登場する。さらに、本展の一番の特徴は絵画研究機関ならではの“読み解く”鑑賞法だ。つまり、画家が残した手紙の言葉や時代背景に関する情報、科学的な研究結果など、あらゆる手法で作品をより深く紹介してくれる。

例えば、ゴッホの《花咲く桃の木々》には、ゴッホが友人の画家ポール・シニャックに宛てた手紙の内容も併せて紹介。「この地のすべては小さく庭、畑、木々、山々でさえ、まるで日本の風景画のようだ。だから私はこの主題に心惹かれたのだ」と記された内容から、ゴッホがいかに日本に憧れていたかがわかる。こうした画家の内面にも迫る趣向で鑑賞すれば名画の印象も変わりそうだ。

『コートールド美術館展 魅惑の印象派』 東京都美術館 企画展示室 東京都台東区上野公園8-36 開催中~12月15日(日) 9:30~17:30(金曜、11/2は~20:00。入室は閉室の30分前まで) 月曜、9/17、9/24、10/15、11/5休(9/16、9/23、10/14、11/4は開室) 一般1600円ほか TEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)

ポール・セザンヌ

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左の人物はセザンヌ作《パイプをくわえた男》でも描かれる。併せて展示。ポール・セザンヌ《カード遊びをする人々》1892-96年頃 油彩、カンヴァス 60×73cm コートールド美術館 ©Courtauld Gallery(The Samuel Courtauld Trust)

ポール・ゴーガン

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ポール・ゴーガン《テ・レリオア》1897年 油彩、カンヴァス 95.1×130.2cm コートールド美術館 ©Courtauld Gallery(The Samuel Courtauld Trust)

エドゥアール・マネ

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現実とは異なった映り方をしているという鏡の表現の解説も。エドゥアール・マネ《フォリー=ベルジェールのバー》1882年 油彩、カンヴァス 96×130cm コートールド美術館 ©Courtauld Gallery(The Samuel Courtauld Trust)

フィンセント・ファン・ゴッホ

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フィンセント・ファン・ゴッホ《花咲く桃の木々》1889年 油彩、カンヴァス 65×81cm コートールド美術館©Courtauld Gallery(The Samuel Courtauld Trust)

※『anan』2019年9月18日号より。文・山田貴美子

(by anan編集部)

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