この6人の個性で当たり前を壊していきたい。
「アルバムではまた新しい挑戦もしたし、聴く側もいろんな感情になると思うんですけど。受け取り方に正解はないので、今は聴いた人がどんな気持ちになったのかを早く知りたいです」(セントチヒロ・チッチ)
最も攻撃的でカオティックなサウンドに挑戦したのは「遂に死」。レコーディングではディストーションをかけて声を歪ませながら歌った。
「私はサウンドプロデューサーの松隈ケンタさんに『声が宇宙人みたい』ってよく言われるんですけど。その気持ち悪い感じでそのまま歌ってみました(笑)。ディストーションをかけると、壊れたラジオから聞こえてくるような歪んだ声になるのが好きなんですよね」(アユニ・D)
「私は振り付けを担当しているので自分の中にあるダークな部分を『遂に死』のダンスでは表現しました」(アイナ・ジ・エンド)
一方、「I am me.」は6人のピュアな想いが真っすぐに響く。
「BiSHもまだ夢の途中で、どんな未来に向かってるかはわからないけど。『I am me.』は汗をかきながら走るBiSHの純粋で綺麗な心が表現できたかなと思います」(セントチヒロ・チッチ)
メンバーが自ら手がける歌詞もそれぞれに個性的。リンリンは「O・S」を書いたきっかけをこう語る。
「『シャーマンキング』という漫画の登場人物の考え方やセリフに影響されて書いた歌詞です。私は結構、自己チューなので、『こういう時、シャーマンキングだったらどうするかな?』と考えながら行動したりしています。そういう自分の想いを伝えられたらいいな」(リンリン)
全員が自らの個性を曝け出しながら、一つの塊となってメッセージできるのはBiSHならでは。
「自分を押し殺さずに表現できるのがBiSHの強みです。それでファンの方が感動してくださると『生きてるな』って実感します」(ハシヤスメ・アツコ)
「プロの振付師や作詞家さんだったり、もっと上手くやれる人はたくさんいるけど、でも、今生きている私たちが下手でも踊ったり書いたりすることに意味があるのかなと思うんです」(モモコグミカンパニー)
「楽器を持たないパンクバンド」というキャッチコピーも、活動を続けていく中で、真実の輝きを帯びてくる。
「当たり前を壊していきたい。楽器を持ってるからバンドだとか、女の子6人組だからバンドじゃないとか、そういうことを覆していきたい。面白いほどバラバラな6人の個性があるからこそ、それができるんだと思います」(セントチヒロ・チッチ)
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ビッシュ アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dからなる “楽器を持たないパンクバンド”。6人の個性とエモーショナルなライブで熱く支持される。
※『anan』2019年7月10日号より。写真・小笠原真紀 取材、文・上野三樹
(by anan編集部)
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