
6月13日から開幕する舞台『鬼滅の刃』其ノ陸 柱稽古・無限城 突入。本作に童磨役として登場する、俳優の浦井健治さんにインタビュー。
翼をもらったような感覚で、楽しんで演じています
数々のグランドミュージカルに出演し、艶のある声と情感あふれる歌で、観客の心を掴んできた浦井健治さん。その次回作は、舞台『鬼滅の刃』其ノ陸 柱稽古・無限城 突入。前作に映像出演していたが、今回、童磨としてついに舞台に登場する。じつは「最初にお話をいただいた時、嬉しくて興奮しました」と話すほどの鬼滅ファン。
「師弟愛もあれば、家族愛、きょうだい愛まで、いろんな形の愛が描かれている作品です。主人公・炭治郎を軸にした物語ではありますが、個人的には鬼のエピソードに感動することが多くて。とくに童磨と胡蝶カナエ、しのぶ、カナヲという胡蝶家の3人との因縁のストーリーが好きなんです」
まさに今回描かれるのがそのエピソード。鬼に両親を殺され、姉・カナエと鬼殺隊に入隊するも、童磨に姉をも殺されてしまった胡蝶しのぶが、童磨と因縁の対決を果たす。
「大人気キャラクターですし、多くの方の中にすでに童磨のイメージがあるはずで、そういう方々が納得する童磨を作っていかなくてはいけないと思っています。単にキャラクターを演じるのではなく、彼のバックボーンを踏まえて演劇的にどう見せるのかをちゃんと考えていきたいと思っています」
「責任重大だなぁ」と漏らしつつ、「舞台上で血鬼術が使えるのが嬉しくて、武者震いします」と笑顔に。じつは「挑むハードルが高ければ高いほど燃えるタチ」なのだとか。
「よく共演者に、『緊張しないの?』と聞かれたりするのですが、逆に楽しめるというか(笑)。経験を重ねると自分の型みたいなものができてしまい、そこにとらわれてしまいがちですが、その突破口になるのは高い壁を越えて新しい表現だったり新しい声に出合うこと。これだけの大人気作品ですし、自分をすべてさらけ出さないといけなくなってくる。汗をかき全身全霊で勝負するのが鬼滅なわけで。それを飄々と乗り切るところまで持っていけたら童磨として成立できるのかなと思っています」
紡がれる言葉に、舞台『鬼滅の刃』へのリスペクトがのぞく。
「最初の1作目からここまで5作が上演されていますが、関わる方々の舞台にかける熱量が高く、その想いの結晶に感動します。とくに前作は、カンパニーの絆がより強く感じられ、想像を超えた深い感動があり、初心に返る想いがしました。1作目から参加している無惨役の佐々木喜英くんと話していても、みんながどれほどこの作品を大事にしているかがわかるんです。僕も、ここまでの経験を総動員し、作品に説得力を持たせることが責務だと思っています」
童磨は、共感性がなく人間的な感情を持たないため、笑顔で残忍な振る舞いをするキャラクター。
「こんなふうに言うと誤解されるかもしれないけれど、僕、童磨に似ているところがあるというか…。うちのマネージャーからは『浦井くんは心がない』と言われたこともあったり(笑)。童磨って、残忍なことをしながらも悪気がないんですよね。演じることは英語で“PLAY”ですけれど、演じるのに童心ってある意味で大事だと思っていて、どんな作品でも、必要になる時があるんですよね。幼い頃に“神の子”と呼ばれ、そこからどんなふうに育ってきたのか。感情の欠如とはどういうことなのか。胡蝶しのぶとどう対峙していくのか。あの笑顔の裏に隠しているものはなんなのか。想像力を働かせながら役を追求したいです」
近年、『天保十二年のシェイクスピア』の佐渡の三世次、『デスノート THE MUSICAL』のリューク、今年春の『破果(パグァ)』のトウと、従来のノーブルなイメージを覆すようなダークな役柄が続いている。
「人としてやってはいけないタブーに役として踏み込んでいけるのは俳優の醍醐味ですよね。どこまでも振り切っていける翼をもらったような感覚で、楽しんで演じています」
Profile
浦井健治
うらい・けんじ 1981年8月6日生まれ、東京都出身。ミュージカルを中心に数々の作品に出演し、2015年には読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞。近作にミュージカル『最強のふたり』など。
information

『鬼滅の刃』其ノ陸 柱稽古・無限城 突入
家族を鬼に惨殺された少年・炭治郎(阪本・髙橋颯)は、鬼を討ち、ただひとり生き残るも鬼に変貌した妹を人間に戻すため鬼殺隊に入隊する。炭治郎ら鬼殺隊の戦いは、ついに鬼を支配する無惨(佐々木)の本拠地・無限城へ──。
6月13日(土)~28日(日) MoN Takanawa:The Museum of Narratives Box1000
原作/『鬼滅の刃』吾峠呼世晴(集英社ジャンプコミックス刊) 脚本・作詞・演出/元吉庸泰 出演/阪本奨悟・髙橋颯(Wキャスト)、髙橋かれん、植田圭輔、佐藤祐吾、舞羽美海、佐藤永典、廣瀬智紀、佐々木喜英、一色洋平、浦井健治ほか
全席指定・1万2800円(土・日曜1万3800円) サイドシート・1万2800円(土・日曜1万3800円) 立見券・9800円(土・日曜1万800円) 公式サイト
anan 2499号(2026年6月10日発売)より





























