映画『ブルーロック』主演の高橋文哉に聞く、役柄への思いと自身にとってのヒーロー

映画『ブルーロック』主演の高橋文哉さんに、役柄への思い、自身にとってのヒーローを伺いました。


ドラマ初主演作の『仮面ライダーゼロワン』で王道ヒーローを経験された高橋文哉さん。今回、映画『ブルーロック』で演じた潔世一は無名の高校生FWで、“青い監獄(ブルーロック)”入寮当初は自分の武器も見出せずにいた。一見、普通の男の子のようだが、高橋さんはどんな人物だと捉えているのだろう。

「正直、潔はイメージする主人公像とは離れてる気がしますよね。それって、潔が最初のうちは自信がないからだと思うんです。“俺ならできる”“あいつに勝ちたい”といった明確な意志がなく、向かっている方向もわからない。でも、だんだんと目標を口にするようになり、主人公っぽさが出てくる。そうした人間味溢れる面も含め、他とは違う主人公的魅力が潔にはあるなと、演じていて思いました」

“ヒーロー性”に関しても、「潔より、周りのキャラクターのほうがヒーローっぽい」との答え。

「潔を演じた側からの主観的な視点で言うと、ヒーロー的要素も潔にはあまりないというか…。蜂楽や千切、國神、凪、馬狼など、周りのみんなが自分を成長させてくれる起爆剤的存在だから、潔にとっては彼らがヒーロー。特に國神なんかはブルーロックという熾烈なサバイバルの場においても『正々堂々と戦え』と正義感に溢れていて、本当にヒーローですよね。でも、他のみんなにとっては潔に負けたくないという思いが原動力になっていて、ある意味、潔がヒーローだったりするのかなと」

最強のストライカーを目指し、壁にぶつかりながらも果敢に戦い続ける彼らの姿は観る者に勇気を与え、背中を押してくれる。それはヒーローそのものであり、高橋さんも心震えた瞬間があるという。

「(潔たちの)チームZと(凪たちの)チームVの一戦では、チームVという圧倒的強者を前に潔たちは勝利を諦めかけますが、やっぱり諦めきれない中、ずっと自分のためにプレーしていたみんなが、“このチームで勝ちたい”という思いに変わり、動き出していく。まさにみんながヒーローで、輝いているなと思いました。そう感じたのは台本を読んでいる時でも、撮影している時でもなく、モノローグのアフレコをしていた時。特にV戦は潔の心情を表すモノローグが多いので、撮影した映像をすべて一気に見せてもらったのですが、全員の歯車が上手くハマっていく展開にグッときました」

サッカー未経験ながら、一切の妥協も許さずサッカーシーンに臨み、主演の重責を背負いつつ、堂々と真ん中に立ち続けた高橋さん。最後まで走り切れたのは、ある仲間の存在が大きかったそう。

「僕の精神的支柱だったのは(蜂楽役の)櫻井海音くん。彼も『【推しの子】』など、人気原作の実写化の主演をやっているので、言葉にはしないけど、“文哉くんの気持ちはちょっとわかるよ”という思いで横にいてくれてたんじゃないかなと。お互い、仲はいいけど、撮影中はどこか気を遣い続けていたと思います。それはリスペクトの気持ちからきてるんだろうなと思い、逆に仲よくなりすぎると、そういう“良さ”も消えてしまう気がして、撮影中に二人で食事に行ったりすることはなかったんですけど。でも、ずっと寄り添ってくれていた。海音くんは僕が困っている時、『文哉くんはどっちがいい?』と聞いてくれることが多かったのですが、それに気づいたのは、映画『SAKAMOTO DAYS』の宣伝期間中。主演の目黒蓮さんから『文哉くんはずっと、目黒さんのやりやすいほうでいいですよと言ってくれてた』という話を聞いた時に、海音くんもそうしてくれていたなと。海音くんが蜂楽役で本当によかったですし、彼じゃなかったら僕も無理だったなと思います」

さらにもう一人、高橋さんの原動力になっていた人物がいた。

「役者を生業としていない(&TEAMの)Kくんです。凪という人物を表現できるのはKくん以外にはいないと思うぐらいのものを見せてくれて。撮影がすべて終わってから、『出演のオファーをもらった時、高橋文哉が主役だったから大丈夫だと思ったんだよね』とポロッと話してくれたのですが、僕のために出演したわけではないにしろ、ツアーを回りながら、本当に多忙ななか作品に向き合っている姿を見て、この人のためにも僕も頑張らなきゃと思わせてくれた存在でした」

最後に、役者人生におけるヒーローや目指す人物について伺うと「それはいないです」とキッパリ。

「アンアンさんの過去のインタビューでも、目標や憧れの人として(今作で共演した)窪田正孝さんの名前を挙げていたと思うのですが、ある頃から言わなくなりました。もちろん今でも窪田さんのことは大尊敬していますし、“一番好きな役者さんは?”と聞かれたら、窪田さんの名前を挙げますが、目標やゴールにしてしまうと、どうあがいても勝てないなと。例えば、同じ役のオーディションを受けて、自分を選んでもらえる可能性がゼロではないのが俳優業だと思うんです。だからこそ自分の好きな人を目指すというのは違うんだろうなと思って。今回、現場で窪田さんともお話しさせていただき、窪田さんから『自分を見失わないで頑張ってね』といった言葉をかけてもらって。好きな人を目指して進むのではなく、その人といつか並走するために頑張っていきたいと、今は思っています」

Profile

高橋文哉

たかはし・ふみや 2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。近年の出演作に映画『少年と犬』『SAKAMOTO DAYS』など。ドラマ『Tシャツが乾くまで』(TBS系)が7月10日スタート。

映画『ブルーロック』

information

世界中を熱狂させる革新的なサッカー漫画の実写化

累計発行部数6000万部突破の大人気漫画『ブルーロック』を実写映画化。日本をワールドカップ優勝に導くストライカーを育成するために立ち上げた“青い監獄(ブルーロック)”プロジェクトを舞台に、全国から集められた300人の高校生FWたちが生き残りとエゴをかけて熾烈なサバイバルを繰り広げる物語。8月7日(金)より全国公開。

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写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・TOKITA ヘア&メイク・大木利保(CONTINUE) 取材、文・関川直子

anan 2503号(2026年7月8日発売)より
Check!

No.2503掲載

ヒーローエンタメ最前線

2026年07月08日発売

この夏を彩る最新ヒーローを紹介する特集。プライムオリジナルドラマ『犯罪者』から高橋一生さん、斎藤工さん、水上恒司さん、映画『ブルーロック』からは高橋文哉さんなど、豪華キャストのみなさんが誌面を彩ります。

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