ふいに聞こえてきたセリフから妄想を展開する、劇作家の根本宗子さん。今回の妄想主役は「ギャンギャン犬」です。
根本宗子

『愛犬ポリーの死、そして家族の話』絶賛稽古中である。

大好きな山岸聖太監督ディレクションによる劇団初の公式ドキュメンタリー「村杉蝉之介が、犬になるまでの過程」がYouTubeで公開されているので、是非是非ご覧いただきたいのだが、今回の芝居、「犬」にまつわるお話なのだ。

そのせいか、道を歩いているとやたら散歩中の犬に目がいってしまう。実家でもずっと犬を飼っていたため、動物の中で犬が一番好きな私なのだが、ここまで犬を意識して生活したことは未だかつてないかもしれない。人が犬の役をやるドキュメンタリーを撮ってるくらいだもんなあなどと思いながら自宅から駅に向かって歩いていると、ゆっくり歩くおばあちゃんが連れた小さな活発な犬が私の足元にガーーーッとやってきて、私の服の裾にかぶりついた。で、吠えまくっている。

「ギャンギャンギャンギャンギャン!!!!!!!!!」

根本、超びびりました。

妄想スイッチオン!

このギャンギャン犬、今私が「犬」の芝居を作っていると嗅ぎつけ、私に近寄ってきて、「オメーまだまだ犬のことわかってねーんだよ!!」とキレているのだ、きっと。そりゃ服の裾も噛むよなあという話だ。「なに、犬のこと知ったかぶって書いてんだよ!!」とブチギレ中である。

と、妄想しながら書いてみて思ったが、いやいや、普通に違うし、他人の服の裾噛んじゃうような暴れん坊を、80歳くらいのおばあちゃん一人に散歩させるのは危険よね。普通に! おばあちゃんが犬に引っ張られて転んじゃう事故とかもあるし、犬の力ってかなり強いからおばあちゃんおじいちゃんの暴れ犬の散歩には、世の中的に何か対策をしたほうがいいと思います、根本は!

ちなみに、山岸監督によるドキュメンタリーは、きっと舞台本編とは15パーセントくらいしか関係ありません(笑)。

ねもと・しゅうこ 1989年、東京都生まれの劇作家。月刊「根本宗子」公演『愛犬ポリーの死、そして家族の話』が、12月20日より下北沢・本多劇場でスタート。http://gekkannemoto.wixsite.com/home

※『anan』2018年12月26日号より。

(by anan編集部)

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