『新テニスの王子様』越前リョーマ役・皆川純子&不二周助役・甲斐田ゆきインタビュー「青学はみんなにとって帰る場所なんだと思います」

今年、惜しまれながら完結した漫画『新テニスの王子様』。アニメシリーズも放送開始から約25年が経ち、W杯決勝戦直前の『新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP 決勝メンバー決定戦』が放送中だ。約25年、成長を続けるキャラクターとともに走り続け作品に命を吹き込んできた、越前リョーマ役の皆川純子さん、不二周助役の甲斐田ゆきさんに、これまでの想いや“テニプリ愛”を伺いました。

Index

    皆川純子(越前リョーマ役)「テニスに対するブレない想いが、彼の一番の魅力」

    ── アニメ放送開始から25年。皆川さんから見て、リョーマはどのように成長したと感じますか?

    「もっと強くなって、目の前の敵に勝つ」という向上心の強さやテニスに対する想いは、初登場から今まで全く変わっていないと思います。ただ、初めの頃は自分一人で戦っていたリョーマが、青春学園中等部テニス部、そして日本代表の一員になり、仲間のために戦う気持ちを知りました。チームを背負って戦っていく中で、よりテニスの楽しさを感じて、人間的にも成長したのではないかなと思います。

    ── リョーマに「チームメイト」という意識が芽生えた具体的なきっかけはどこだと思いますか。

    最初のきっかけは山吹中の亜久津仁との試合。亜久津に傷つけられた仲間たちの分まで戦う姿が印象的でした。もうひとつは、一度アメリカ代表に転向したものの、「自分の居場所はやはり日本代表だ」と思い至り、戻ってきた時。私自身も日本代表のキャスト陣のことを仲間だと思っているので、原作連載当時はいつ日本代表に戻ってくるのかヒヤヒヤしていましたし(笑)、戻ってこられてホッとしたことを覚えています。

    ── リョーマというキャラクターの魅力について教えてください。

    たくさんあるから一言で言うのは難しいですが、やはりテニスに対するブレない想いが一番の魅力じゃないでしょうか。テニスが好きだからこそ強くなりたくて、そのために努力を惜しまない。生意気な性格ですが、その生意気さも確かな見えない努力に裏付けされたものだと思います。それから可愛いし、すごく格好いい。圧倒的主人公感がありますよね。

    ── そんなリョーマですが、今シーズンでは青学の先輩・不二周助と、決勝戦出場を懸けて戦います。演じてみていかがでしたか?

    やっぱり不二先輩は格好いいなと思いました。だからこそ、この人に勝ちたい、と私自身も思ったし、きっとリョーマもそう感じたと思います。以前対戦した時は、試合の途中で雨が降って、決着がつかなかったんですよね。今回は勝敗が決まりますが、リョーマも不二先輩も強いので、次にまた試合をしたら、どちらが勝つか分からない。だから今回、強さの決着がついたというよりも、お互いに心の決着がついた試合になったんじゃないかと思います。

    ── 演じる前に、不二役の甲斐田ゆきさんとは話をしましたか?

    お互い大事に思っていた試合なので、「演じたら終わっちゃうから演じたくないね」という話をしていました。ゆきちゃんと私は青学レギュラー陣の中で2人だけの女性キャストなので、これまで20年以上、悩み相談も含めて本当にいろんな話をしてきました。なのでアフレコでは、皆川純子から甲斐田ゆきへの長年の気持ちも声に乗せて演じてしまいましたね。

    ── リョーマや不二が所属する、青春学園中等部テニス部の魅力を教えてください。

    勝利を目指して一致団結しつつも、個性が強くて将来の目標はみんなそれぞれに持っている。手塚部長もドイツに行きますし。でも、この先どんな未来に進んでも、青学はみんなにとって帰る場所なんだと思います。“離れていても心で繋がっている仲間”、ですかね。

    ── では、青学キャストは皆川さんにとってどんな存在ですか?

    奇跡のメンバーだと思っています。私は声優歴2年目でリョーマ役に選ばれて、最初の頃は座長としてどう振る舞えばいいか全く分かりませんでした。でも、他のみんなが「純ちゃんがリョーマとして真ん中にいられるように」と動いてくれたから、安心して立っていることができました。みんな、本当に仲がいいんですよ。最初の頃はアフレコ終わりに毎回、ごはんを食べに行ったり。旅行したこともありました。本当に、学生時代の仲間のような存在です。

    ── 最後に、これからU-17W杯決勝メンバー決定戦に挑むリョーマに一言、声をかけるなら?

    そうですね…。「目の前の敵は全員倒してきて」と伝えたいです。

    全国大会 リョーマvs幸村

    皆川さんのFAVORITE EPISODE

    「楽しんでこそ」だと気づいた全国大会。決勝戦でリョーマの名台詞が誕生!

    「リョーマが天衣無縫の極みに辿り着いた試合が印象的! 『テニスって楽しいじゃん』という台詞を演じて、スポーツでも何でも楽しんでこそだ、とハッとさせられました。幸村の“五感を奪う”という技も凄いですよね。できる限り五感を奪われた意識で演じたいと思ったのですが、想像もできなかったです(笑)」

    Profile

    皆川純子

    みながわ・じゅんこ 11月22日生まれ、茨城県出身。主な出演作に『美少女戦士セーラームーン』シリーズ(天王はるか/セーラーウラヌス)、『暁のヨナ』(ユン)など。

    甲斐田ゆき(不二周助役)「『テニスの王子様』からハッピーの力を思い知らされた」

    ── まずは甲斐田さんから見た、ここまでの不二周助というキャラの成長について教えてください。

    出来のいい自慢の遠縁の親戚の男の子の成長を見ているような感覚です(笑)。スポーツに打ち込んで、仲間と絆を強めて、ちゃんと壁にぶつかって悩んで、それを乗り越えたり乗り越えられなかったりして…。日々成長しているという意味ではすごく中学生らしいし、眩しい存在です。

    ── 不二は一見、強くてミステリアスですが、実は人間らしい葛藤も抱えた人物ですよね。

    そうですね。なんだかんだで“悩める天才”だと思います。でも、今作のリョーマ君との試合で、また壁を一つ越えたと思います。許斐(剛)先生が今の彼の終着点をそのように描いてくださったことに感動して震えました。

    ── 今回の試合について、もう少し詳しく教えてください。今作では二人の関係性はどのようになっていくのでしょうか?

    詳しい展開や試合の勝敗はぜひアニメの放送を見ていただきたいのですが…『テニスの王子様』からずっと関係性は変わっていないんじゃないかな。リョーマ君は不二君を先輩としてリスペクトしていて、不二君は《越前》を後輩として見守りつつ才能あるプレーヤーとして刺激を受け続けていて。だからこそ、試合後のあのやりとりになったのではと。あの試合は、不二君にとって代表メンバー決定戦以上の意味があって、リョーマ君のプレーとスピリットからテニスプレーヤーとして触発され「自分の才能を信じてこの道を進んでいく」覚悟に繋がったのではないかと思います。

    ── 甲斐田さんから見て、不二周助というキャラクターの魅力はどんなところにありますか?

    普段の柔和さと、ギアが入った時のシャープさ、クールさ、怖さのギャップ。そしてちょっと贔屓目ですけど…作中にはテニスの天才がたくさん登場しますし、タイプもそれぞれですが…不二君は物語の序盤から主人公のすぐ近くにいたうちの一人で、逆の特性の天才なんじゃないかと。普段はクールなのにテニスとなると熱くなって、楽しんでプレーするリョーマに対して、熱くなった時ほど冷めていくというか、周囲の音がなくなるような感覚があって。それぞれ魅力的です。

    ── では、青春学園中等部テニス部というチームの魅力はどう考えていますか?

    青学に限らず、どのチームもその絆にグッときます。人と協力してワンチームで熱くなれる機会ってなかなかないですよね。U-17W杯日本代表も準決勝の熱い戦いを経てチームとして一つになった感覚に胸が熱くなりました。青学に関しては、リョーマは一時期はアメリカ代表にいたし、手塚もドイツ代表になって、向こうの選手からも「国光、国光」って愛されていて(笑)。世界に通用する強さも青学の魅力ですね。

    ── 甲斐田さんが不二から影響を受けて成長したこと、価値観が変わったことはありますか?

    不二君のおかげで、自分の人生にこんなことが起こるのかという素敵な経験をたくさんさせていただきました。そして『テニスの王子様』という作品を通じてハッピーの力を思い知らされました。25年という年月は個人的にも世の中でも世界でも色々なことが起きて、無力感に苛まれることもあって。エンタメってお腹にたまらないし、物理的な必要性が見えにくい。そもそも自分が好きなことをやっていていいのか、とも思います。でも、楽しんでもらうために振り切って精魂込めた『テニスの王子様』が「エンタメがみんなのエネルギーになること」を見せ続けてくれています。

    ── これから代表メンバー決定戦に挑む不二に、何か言葉をかけるなら何と伝えますか?

    試合前のタイミングとしては…「どう? ワクワクしてる?」かな(笑)。「そろそろ、腹を括ろうか」とも伝えたいですね。そして改めて、「ずっと輝いてくれてありがとう」です。

    『劇場版 テニスの王子様 二人のサムライ The First Game』

    甲斐田さんのFAVORITE EPISODE

    恐竜を絶滅させ、摩天楼を駆け上がる…。世界観を確立したシリーズ初の劇場版アニメ

    「特に記憶に残っているのは、この映画でのリョーマ君とリョーガの試合の演出。アニメーションだからこそできる、大胆な展開で、以降の方向性が決まったのではないかというくらいの衝撃を受けました。こんなことまで起こるのが“テニプリアニメ”なんですよ! というのを見せてくれた作品です」

    Profile

    甲斐田ゆき

    かいだ・ゆき 11月30日生まれ、東京都出身。1989年に声優デビュー。主な出演作に『ヘタリア』シリーズ(中国)、『Go! プリンセスプリキュア』(ロック)など

    Information

    『新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP 決勝メンバー決定戦』

    『新テニスの王子様』最新シリーズ。W杯決勝・対スペイン戦の前日譚。リョーマたち日本代表は、決勝戦に出場するメンバーを決めるトーナメント戦で、それぞれのプライドと情熱をぶつけ合う。テレビ東京(毎週水曜24:00~)ほかにて放送中。

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    取材、文・井上明日香 Ⓒ許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト

    anan 2514号(2026年10月7日発売)より
    Check!

    No.2514掲載

    上質なご自愛。

    2026年10月07日発売

    たまには自分をいたわり、ゆったりとした時間を過ごしたいもの。忙しない日常で疲れた心と体をリセットするための、ちょっと上質なご自愛のアイデアを集めました。

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