変化するフェムケア意識。「ガマンするのが当たり前」を、疑うことから始めよう

ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは、「変化するフェムケア意識」。アーティストとして活動するスプツニ子!さんをお招きし、女性の快適な毎日のために私たちにできることを考えます。


意識が変わり仕組みが変われば社会の構造も変わる

── スプツニ子!さんは、2010年に映像作品「生理マシーン、タカシの場合。」を発表。男性が生理マシーンを装着して生理痛を体験する様子を描き話題に。

そわんわん 当時はまだ生理について語ること自体がタブーな雰囲気だったのでは?

スプツニ子! 「過激なアーティスト」って言われましたよ(笑)。でも、フェムケアって本来は「自分の心身の不調をどう解決するか」という、とてもロジカルな話なんです。それなのに、なぜかタブー扱いされて、話し合う機会すらなかったんですよね。

そわんわん 私がananフェムケア委員会のメンバーになって約4年ですが、この4年でぐっとハードルが下がって、よりオープンに話せるようになった実感があります。発信に対して前向きな反応や共感してくれる人が増えた気がします。

スプツニ子! 私も4年前フェムテックで働く人の活躍を支える会社「Cradle」を立ち上げました。この数年で変化のスピードは一気に加速し、働く女性への健康支援が企業に浸透してきた実感があります。

そわんわん 女性への健康支援というと、男性から「女性ばかり不公平」という声が出ることもありますか?

スプツニ子! 最近は減りましたが、実際にそういう声もありました。でも、考えてみてほしい!これまで企業が力を入れてきた「メタボ対策」や「禁煙支援」は、対象の大半が男性なんです。一方で日本では女性の約8割が女性特有の不調に悩み、仕事やキャリアにも影響しているのに、サポートがないのが“当たり前”だったんですよね。

そわんわん その状態が“当たり前”になりすぎていて、女性も気づけていなかったのかもしれませんね。

スプツニ子! フェムケアはパーソナルなことだけれど、個人の悩みを個人任せにせず、支える仕組みをつくることが大事。だから今のサービスでは、男性の健康や育児・介護との両立、ハラスメント対策など、性別を問わず働く人に必要なサポートを幅広く手掛けています。

そわんわん フェムケアについて考えるようになったキッカケは?

スプツニ子! 私は10代の頃から生理が重くて、この不調をなんとかしたいという思いがずっとありました。大学時代にイギリスに留学していた時、婦人科でピルを勧められたんです。当時の日本は低用量ピルが承認されてまだ数年で、「ピル=避妊薬」というイメージが強かったのですが、イギリスをはじめ世界の国々では、生理の不調を和らげQOLを高めるために当たり前に使われていると知って驚きました。

実は、日本の低用量ピル承認は国連加盟国の中で一番最後。一方でバイアグラは、わずか半年で承認されています。この差を知って、「意思決定の場に誰がいるのか」によって私たちのQOLは左右されるんだ、と感じるようになったのがキッカケです。

そわんわん 「ガマンするのが当たり前」ではなく「これっておかしいんじゃない?」と、“構造”自体に疑問を抱くことって大事ですよね。

スプツニ子! そわんわんさんのように「身近なことから変えてみよう」と発信することもとても大切。それに勇気づけられて多くの人の意識が変化すれば、世の中の構造もきっと変わっていくはず!

そわんわん 今こうやって話せるのも、疑問を抱いて行動してきた女性たちがいたからなんですよね。私も、自分らしい発信を続けたいです。

お話を伺った方

Profile

スプツニ子!

1985年生まれ、東京都出身。株式会社Cradle代表取締役。東京藝術大学客員教授。ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士課程を経てアーティストとして世界各地で作品を発表。2017年、世界経済フォーラム「ヤング・グローバル・リーダー」に選出。著書に『はみだす力』(宝島社)など。

そわんわん

ananフェムケア委員会。1999年生まれ、和歌山県出身。モデル、YouTuberとして活動中。飾らない言葉で、美容やライフスタイル、フェムケアについても発信し、多くの女性たちの支持を集める。SNSの総フォロワー数は100万人超。著書に『すべてはウチらの頭の中に』(KADOKAWA)など。

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写真・小笠原真紀 ヘア&メイク・AKANE(スプツニ子!さん) 取材、文・音部美穂

anan 2513号(2026年9月30日発売)より
Check!

No.2513掲載

応援の流儀 2026

2026年09月30日発売

目標に向かい頑張る人を見守ることで、心が躍り、パワーをもらえる──。そんな“応援”をテーマに制作する特集。さまざまな人のインタビュー&心理的考察から「応援」が私たちにもたらすものを探ります。

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