ダウンタウンを殴る、尼神インター・渚「イラっとしたら手加減なし」

エンタメ
2018.01.31
ぶりっ子妄想キャラの誠子さんと、元ヤンキーで男前キャラの渚さん。両極端の個性でブレイク中の尼神インター。全国区の人気を獲得した売れっ子の胸中とは、いかに?
タレント

「テレビに出続ければ、いつかは飽きられる」(渚)、「大胆な変化は必要だなって」(誠子)

関西での実績と人気を引っ提げて上京しても、東京進出した途端、足踏みしてしまう。そんな芸人も少なくない中、芸歴10年目の節目で東京に進出し、見事、ブレイクを果たした尼神インター。劇場での出番直後に行われたインタビューでは、さっきまで舞台で大きな笑いを起こしていた張本人たちとは思えないほど、淡々としていておだやか。今の人気に舞い上がることもなく、自分たちの立ち位置を冷静に見ていました。

――突然ですけど、おふたりの肌がすごくキレイ。スキンケアやメイクのこだわりは?

誠子:ありがとうございます♪ 化粧はほとんどしないんですけど、スキンケアはこだわってるんですよ。最近は、リッチな化粧水を惜しみなく使えるようになりました(笑)。美容院は、“あゆ”と同じ表参道のお店に通ってます。

――そのスウェット、たしか女優の吉岡里帆さんも着ているブランドですね。

誠子:本当に!? うわ~、めっちゃ嬉しい。SNSにあげなきゃ。

渚:(興味なさげに)メイクは自分でやってます。メイクさんにしてもらうと気を遣っちゃうんで、ならセルフでいいやと。

――美容院で話しかけられるのも苦手ですか?

渚:すぐ寝ます。なのにすごい話しかけてくるんですよ。美容師さんも仕事なんでしょうけど、プライベートを話したり、裏話みたいなことを期待されるのがイヤなんです。聞かれると、ホンマのことしか答えられないから。正直に話してるのに「意外ですね」とか返されると、「じゃ、何て答えてほしかったんやろ?」とも思う。だったら、目つぶっとこうと。

――ちょっとお話を聞いただけでも、おふたりのキャラの違いが鮮明です。

渚:お互いの中にある要素が、わかりやすく出てるってことだと思います。作ったキャラクターは続かないから。普段から、例えば腹が立ったら、全部素直に出します。

誠子:渚は、常に感情表現がガチなんです。怒った時は100レベルで怒って、ちゃんと引く。100か0かみたいなところがあって、バランスがとれてます。私には、「オラァ~!」って感情は全然ないんですけど。

――今、お笑い界もコンプライアンスとは無縁でいられないですよね。やりにくくないですか?

渚:たしかに制限は多いけど、昔のテレビの現場を知っているわけじゃないし、とくに窮屈ではないです。まあ、見てる人が楽しいんかなと思うことはありますね。

――渚さんがダウンタウンの浜田雅功さんなど、大物をも果敢にどつくのはすごく面白いです。でも「さすがにこの人はヤバいな」と躊躇することは?

渚:ないです。イラッとしたその瞬間に、そのまま手が出てます。手加減もしないです。確信を持ってどつくことはありますけどね。たぶん私が女やから、先輩に噛みついても許されるんですよ。背も小さいし。見てる人たちも「こいつがどんだけ暴れても怖くない」って、無意識のうちに脳で安心してるんじゃないですかね。

――女芸人でよかったと?

渚:そうですね。

誠子:私も女芸人として、得したことしか思いつかないです。絶対的に男の芸人の方が面白い人が多いのに、どの番組でも「1枠は女芸人が欲しい」「女の子がカラダを張ってるのが面白い」と呼んでもらえるんで。女の子であることにだいぶ助けられてます。

渚:でも、恋愛のことを聞かれるのは困る。「女は常に恋してる」と思われてんのかな。

――申し訳ないんですけど、やっぱり恋愛事情は気になります。

渚:私、そこに対して興味がないから、聞かれたとしても、求められてる答えを言えないんです。一生懸命好きな人を探す意味もわからんし、人見知りだから合コンも苦手。好きな人ができたら、ふつうに「います」って言うけど、今は「いてないです」としか答えられないし、答えた後の「そうですか…」って、残念がられるあの感じも息苦しい。

誠子:私はKinKi Kidsと堤真一さんが好きなので、ぜひ、共演したいです♪

渚:こうやって答えてくれる相方がいるのはありがたいですね。コンビじゃなかったら、間違いなくこの仕事、続けられてないです。

――渚さんは、女性にモテそうですよね。

渚:女の人からファンレターやSNSにメッセージをもらうことはあります。「返しません」と言ってるんですけどね。「腕組んで写真撮ってください」って言われることもあるなあ。頼まれれば撮りますけど、愛想はよくないですよ。

――こうして大量の露出が続く現状をどう考えてますか?

誠子:「ブレイクしましたね」と言われても、「いえいえ、とんでもない」って感じで。運よく流れにのって、東京でもお仕事させてもらえてるのは、ただただラッキーだから。ただ、ある程度、テレビに出してもらえるようになってはいるので、ガラッと違うこともしないといけないと思ってます。最近、「それはせえへん」って自分たちで決めつけないようにしてるんです。例えば、ボケとツッコミを交代するくらい大胆なことをしてもいいのかも。

渚:テレビって、出ればいいというわけでもないんかなと思いますね。いつかは飽きられるだろうし、私たちはずっと出続けられる枠じゃない。でも、たいして深く考えてないです。どういう時代になるかもわからないのに、考えても答えは出ないですし。だから、来たお仕事を楽しくさせてもらって、あとは、給与明細を見てマネージャーさんとはしゃぐ!

――お給料が増えて、贅沢したことは?

誠子:中目黒に家賃12万円の部屋を借りたこと。中目は、私のバイブル『ロンバケ』のロケ地なんですよ。ほんとうにどこを歩いても素敵! だって、フレッシュネスバーガーが2つもあるんですよ。ドラマティックな恋が生まれる予感がします!

渚:私はひとり暮らしで寂しくなるのがわかってたので、知ってる人が多い幡ヶ谷にしました。ひたすら近所で飲んでます。

――NSC出身ですが、通いはじめる前に、イメージする芸人像はあったんですか?

誠子:当時はまだ、自分がそれほどブスやという認識がなくて、ツッコミをやろうと思ってました。千鳥のノブさんみたいに、言葉巧みにツッコミをやるぞと。

渚:誠子はコンビを解散しては組み直してたんですけど、どのコンビでも面白かった。

――同期の星みたいな?

渚:うーん…そうなのかな。ですね、はい(苦笑)。

――(笑)。互いに相方を変え続けてたのに、尼神インターが続いたのは、手応えがあったから?

誠子:NSCは面白い順に、A、B、Cにクラス分けされるんです。私たちはAにはいけなかったけど、すぐBに上がれて、先生の評価も同期の反応もよかったし、いけるかなという感触はありました。

――真面目に通ってました?

誠子:ちゃんと通ってました。

渚:私は、体操とか発声練習の授業はあんまり。滑舌悪いし、どうせ早口言葉も言われへんし、行かんとこうと。

――今、ネタを作っているのは誠子さんですよね。誠子さんが意識していることや、渚さんからリクエストすることは?

誠子:渚は台詞覚えが苦手なんで、削ぎ落とせるだけ落としてます。

渚:私からは何もないです。面白いと思ってやるだけです。たった3分のネタの中で、ものすごく計算して、ネタを作る人は大変やなと思いますよ。初めてネタを出す時はドキドキもするだろうし、そのプレッシャーに、私は勝てない。

――では、ネタを作る人・誠子さんをねぎらうことも?

渚:…1回もないです(笑)。

誠子:ネタで揉めないのは、私の作ったものを面白いと思ってくれてるから。それは伝わってます。

あまこういんたー NSCの同期生で、2007年コンビ結成。‘15年、オールザッツ漫才優勝。右・渚、1984年8月6日生まれ、兵庫県尼崎市出身。ツッコミ。NSCの入学金を貯めるため、約5年間、大工をしていた。左・誠子、1988年12月4日生まれ、兵庫県神戸市出身。ボケ。「M-1」のチュートリアルを見て漫才のカッコよさに目覚め、芸人を志す。

‘18年の抱負は「念願の女優業。芸人にありがちなヒロインのブスな友達役ではなく、桐谷美玲さんとかが演じるような本当のキレイどころをやりたい。相手役は高橋一生さんで」(誠子)。「ショベルカーとフォークリフトの運転資格取得。軽鉄材を切る工具の資格はあるけど、知名度が低いんで、次はメジャーなやつを取りたい」(渚)

※『anan』2018年2月7日号より。写真・小笠原真紀 インタビュー、文・小泉咲子

(by anan編集部)


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