対談するのはananマンガ部・部員のこの2人
Y子:マンガ大賞に関わって早7年。仕事でマンガが読める幸せに感謝するアラフォー。
A子:少年マンガから乙女系まで網羅する、アラサーのマンガ好きライター。2年ぶりに登場。
恋がしたい、彼氏が欲しい、しかし!! 主人公の重田加代子は矛盾した恋愛体質。
A:私、初めて読んだのが中学生のときだったんですが、それまで読んできた学園ラブなマンガとまったく違う恋愛模様が描かれていて、相当なショックを受けました。
Y:私は大学生で、連載時から愛読してて。主人公のシゲタの口癖の「マッシモ!」っていうのが気になったのが、夢中になったきっかけだったかな。
A:Y子先輩的には、シゲタがすぐヤッちゃう感じとか、違和感なかったんですか…?
Y:うーん、それほどなかったかも(笑)。こっちももう大人だったし。
A:田舎の中学生には衝撃的でしたよ。しかも、すぐヤる上にマズい男ばっかり引き当てるじゃないですか。
Y:しかもそばに、タカハシという素晴らしい物件がいて、セックスの相性も良いっていうのに、目もくれない(笑)。
A:でも当時はタカハシの魅力、わかりませんでしたよ。
Y:今ならわかる?
A:……。
Y:(苦笑)。なんだろうね、タカハシの決定打のなさって。
A:女は、見た目とか雰囲気に弱いですから…。
Y:蜂に刺されて記憶喪失になってたときと、それ以降、ちょっとワイルドで素敵だなと思えた瞬間もあったんだけどなぁ。
A:それ、絶対思い違いだと思います(笑)。
次々と男が現れる、シゲタの人生。そしてすぐに恋に落ち、踏み外す。
A:で、ダメ男、悪い男、でもなんか魅力的な男が次から次へと登場しますが、誰が印象的ですか?
Y:最初に出てきたDJのトッキーが、二股上等と開き直るのが忘れられない。
A:最低ですよね(笑)。でもいますよ、ああいう男。見たことある。
Y:最もリアルにいそうな男といえば、編集プロダクションに務める田嶋じゃない?
A:肝心なことは言わないくせに、絶妙に距離を詰めてきて、女の子をその気にさせるタイプですね…。個人的にリアルには絶対会いたくないのは、京都の“ためちん”です。シゲタの名字を聞く前に、「名字なら知ってる…加藤になんねん」って、どれだけ思い込みが強いんだって。
Y:またさ、シゲタがすぐ一目惚れするからおもしろいんだけどね(笑)。
A:確かに(笑)。
5年ぶりに再会したシゲタとフクちゃんは、互いに結婚が破綻していた…。
Y:今年7月に発売された『フィール・ヤング』に、16年ぶりに掲載された『後ハッピーマニア』、読んだ?
A:はい、読みました。シゲタと親友のフクちゃんのリアルな老けっぷりに度肝を抜かれました。
Y:シゲタ、本当にタカハシと結婚してたね。で、離婚するとかなんとか…。
A:一途に思ってくれる男と一緒になるのが、最も正義に近い人生だと思ってましたけど、一途な男だからこそ、浮気が浮気で終わらないという、恐ろしい現実を見せつけられた気がします。
Y:昔のシゲタだったら、若さと勢いでタカハシを蹴散らしたと思うけど、もう45歳。離婚したら無職になるシゲタ、笑えないよね。
A:フクちゃんを愛してたヒデキも、へんな美魔女と不倫してるし…。ううっ。
Y:でも、随所に差し込まれる安野先生ならではのギャグには、やっぱりクスッとさせられるのよ。そこが少しは救いになってるんだけど。
A:確かに。あの絶妙な笑っちゃう感じが健在なのは、すごく嬉しかったです。あ〜、とにかく続きが気になる…!!
Y:シゲタ、続編で、幸せになれるのかなぁ。
A:って先輩、そもそも女の幸せってなんですかね?
Y:40歳でもわからない…。
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※一年の締めくくりに、大好きな香りに包まれたい。