
(左から)芦田愛菜さん、角田晃広さん
世界中で多くのファンを獲得したNetflixの韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の日本版リメイクが決定。主人公・南役の芦田愛菜さんと、父・誠役の角田晃広さんが考える、国境を超え愛される作品の魅力とは?
『南田南弁護士は天才肌』
What’s?

Netflixで配信中の韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』を日本版にリメイク。自閉スペクトラム症の主人公・南田南を演じるのは芦田愛菜さん。驚異的な記憶力を持つ新人弁護士が法の世界で奮闘するリーガルドラマの側面と、南とその周りの人々が心を通わせ変化してゆく人間ドラマの両側から重層的に楽しめる。
韓国版『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は、現在Netflixにて独占配信中。
韓国で2022年に放送、Netflixで配信され大ヒットしたドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』。自閉スペクトラム症ながら、驚異的な記憶力を持った主人公ウ・ヨンウが、大手法律事務所の新人弁護士として奮闘し成長してゆく物語。人の気持ちを読み取ることが苦手なうえ、突然の出来事にうまく対応できないこともあるが、つねに一生懸命なヨンウが、とにかく魅力的。それを今回、演技力、好感度ともに十分な芦田愛菜さんが演じるとあって注目度抜群。共演にも、個性的なキャストが揃い、期待感が高まる。
── 『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が日本でリメイクされると聞いた時にどのように思われましたか?
芦田 もともとオリジナル版のドラマが好きだったんです。パク・ウンビンさんのヨンウがすごく可愛らしくて、魅了されました。でもまさか、日本でリメイクされ、私にお話をいただけるなんて思っていなかったので、びっくりしました。
角田 ヨンウが社会に出て成長していく中で周囲とぶつかりながら、周りの人たちも変わっていくのがいいんだよね。見終わるとあったかい気持ちになれる。しかも日本版では主人公の南を芦田さんがやると聞いて、ぴったりだなと思いました。
芦田 ありがとうございます。別のドラマに出演されていた角田さんが、とても素敵なキャラクターを演じられていたので、私、お会いするのを楽しみにしていたんです。実際お会いしたらとても温かい方で、そういう角田さんが演じられる誠さんに育てられた南ちゃんって、きっとのびのび育ったんだろうなと。そんなところからもたくさんヒントをいただいて、役作りに生かせたらなと思っています。
角田 嬉しいな。僕もお会いして、思い描いていたイメージのまんまで嬉しかったです。現場で僕にまで気を遣って話しかけてくださったり。
芦田 私も、そのドラマでの印象のままだったので、嬉しかったです。
角田 そしたら、バカリズム(ドラマ『ホットスポット』脚本)に感謝しなければ、ですね(笑)。
── この取材は撮影がまだ序盤のタイミングですけれど、いま実際に演じられてみての感想も伺えますか?
芦田 初めて職場に行く南を送り出してもらうシーンで、感情を表現するのが苦手な南に、表情の作り方を教えてくれたり、お弁当の心配をしてくれたりする姿から、南がいかに大事に育てられてきたかを感じられて、今後が楽しみになりました。
角田 誠としては、南が社会に出るようになるまでに、きっといろんな苦労があっただろうし悩むこともあったと思います。僕にも、まだ3歳の娘がいますけれど、心配する気持ちや愛情って根本的な部分では同じな気がしていて、演じながらも、自分の娘が大きくなった時のことを想像してしまいました。
芦田 角田さんが演じていらっしゃる誠さんが、とてもポジティブでユーモラスでもあって、きっと冗談も言い合えるような親子関係なのかなとも感じます。そういうお父さんと親子ふたり、二人三脚で歩んできた人生だと思いますので、そこも役に生かせたらと思っています。
── 現時点で、ご自身の役をどんなふうに演じたいと思って、どんなアプローチをされていますか?
芦田 撮影に入る前に、実際に自閉スペクトラム症の方にお会いしたり、監修の先生とお話しさせていただいたり、自分で関連の本を読んだりして、どう演じるかを日々考えているんですけれど、やっぱり感情の部分を大事に演じたいです。自閉スペクトラム症の特徴として、南は相手からかけられた言葉を繰り返してしまうのですが、それは、相手の言葉を噛み砕こうとしているのかもしれないし、彼女なりにきっと理由があるんです。その感情の機微をモノトーンでなく表現できるよう、バランスを意識していけたらと思っています。
角田 まだ一緒に撮ったシーンは少ないですけれど、芦田さんの南を見て、すでにこのドラマは“勝ち”だなと思いました(笑)。
芦田 (笑)
角田 自分の役としては、家でのふたりのシーンがメインになってくると思っているんです。きっと南が外でいろんな経験をして、壁にぶつかったり、悩んだりして帰ってくると思うので、そこを父親としてどうフォローするか丁寧に演じたいです。
芦田 韓国版のヨンウがとても可愛らしいので、私も私なりに、ご覧になる方が応援したくなるような一生懸命な南を作っていきたいです。
── Netflixで世界的にヒットした作品ですけれど、この作品が多くの人の心をとらえた、その魅力はどこにあると思いますか?
角田 全体を通して、とっても温かいドラマですよね。僕ら親子も法律事務所の面々も、みんながちょっとずつ成長していくじゃないですか。最初は南に対して壁があるところから始まり、少しずつ心を開いていく。人と人とが心で繋がることでいい方向に変わっていけるという、そういう物語だと思っています。
芦田 南は他人の気持ちを読み取るのも、自分の気持ちを伝えるのも苦手なんですけれど、そんな南の視点で見ると、人間の感情ってこんなに複雑なんだと気付かされます。もっとシンプルに考えたっていいんじゃないかと感じる場面もありますし、逆に、普段ならスルーしてしまいそうな場面でも一度立ち止まって、南と一緒に他人の心と向き合って、その気持ちを想像することが面白いと感じることもあります。ご覧になるみなさんも、そういう南の姿から教えられたり、気付かされたりすることがあるのではと思っています。
── 日本版にリメイクされるわけですが、『南田南弁護士は天才肌』のご自身的な見どころというと?
芦田 プロデューサーさんから、南自身はもちろん、南と出会うことで前向きな一歩を踏み出してゆく周りの人たちにも、よりフォーカスを当てていきたいというお話を伺っています。南が直接何かをするというより、彼女自身の持つ正直さとか真面目さ、素直さに感じるものがあり、いい影響を与えていくのだと思いますので、そこをきちんと表現していきたいです。そして南自身も、いろんな難題を乗り越えて、なりたい自分を見つけていくので、そこの感情の動きも深めていけたらと思います。法廷シーンはこれからになるのですが、弁護士役は初めてですし、気合を入れて臨みたいです。
角田 原作の流れでいくと、きっと娘の恋も描かれていくわけですよね。父親としてそこをどう受け止めていくか…心配です(笑)。
芦田 これまでお父さんに支えてもらっていた南が、大人として自立していく過程でもあると思うんです。そこから親子関係がひとつステップアップする感じも、出していけたらいいですね。
角田 父親としては、悩みながらも成長していく娘を受け止めていくしかないんですけど。でも、いろんな立場の人が描かれていますから、幅広い世代の方に共感していただけるドラマになっていると思います。
芦田 南は邪念がなくて、いつも前向きで一生懸命です。その姿に私自身も背中を押されていますから、ご覧になる方々にも少しでも勇気をお届けできたらと思います。
Profile
芦田愛菜
あしだ・まな 2004年6月23日生まれ、兵庫県出身。ドラマ『Mother』など子役時代から高い人気を博す。現在、『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』で司会をつとめるほか、近作に映画『ミステリー・アリーナ』など。
角田晃広
かくた・あきひろ 1973年12月13日生まれ、東京都出身。お笑いトリオ・東京03のメンバーとして活動する一方、俳優としても活躍。おもな出演作に、ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』『ホットスポット』。近作に映画『箱の中の羊』など。
Information

『南田南弁護士は天才肌』
東大法学部を首席で卒業した自閉スペクトラム症の南(芦田)は、半年遅れで広川・ハワード法律事務所に入所。父・誠(角田)の激励を受け出勤するが…。10月19日よりカンテレ・フジテレビ系にて毎週月曜22:00~放送。
角田さん・すべてスタイリスト私物
写真・野田若葉(TRON) スタイリスト・浜松あゆみ(芦田さん) 山﨑康洋(ニューメグロ衣裳/角田さん) ヘア&メイク・板倉タクマ(nude./芦田さん) 樅野知子(角田さん) 構成、取材、文・望月リサ
anan 2512号(2026年9月16日発売)より
































