監督・脚本を手がけたのは韓国出身で日本を拠点に活動する、イ・インチョル。登場人物全員がアンドロイドという謎めいた作品に、連続テレビ小説『ひよっこ』にも出演中の小島藤子さんが挑んだ。役名はBlue。“欲望”を求めるアンドロイドだ。
「脚本をいただいた時はあまりの怪しさにちょっと驚きました(笑)。でも、直感で“嫌いじゃない世界”って思ったんです。アンドロイドが題材の作品はたくさんあるけど、『ハイヒール』には、イ監督ならではの人間論みたいなものが詰まっていて、アンドロイドであることは、もはや些細なことのひとつに感じました。それで私は、わりと普通の女の子みたいに演じたんです。菊地凛子さんとは2人で芝居をするシーンがありましたが、ほかの2人の女優さんとは一緒に組む機会がなかったので、みんながどんな感じで演じているかわからないまま走り抜けました。観てもらうとわかるのですが、4人がそれぞれトーンの違うアンドロイドになっていて、なんだかそれがいいんです。私の演じたBlueは欲望に目覚め、菊地凛子さん扮する靴職人のKaiはこだわりのために生きている。何でも思い通りにしたがるBlueのことは、コイツ~って思いながら演じていました。いくつかの作品の撮影と重なって大変だったかとよく聞かれましたが、私は役を引っ張らないタイプ。憑依型というのか、演じ終えたらスポンと忘れちゃうんです。今の私に欲望があるとしたら、映画館の最前列でポテトを食べながら、お母さんと楽しみたい欲かな(笑)」
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