1分間血流アップ体操を継続して、健康・美容貯蓄!
医学博士・富永喜代さんが考案したのが、血液循環を促す筋肉を刺激し、血流をアップさせる1分間体操。
「心臓から出た血液が戻ってくるのにかかる時間が1分。この血液循環リズムに合わせて行うことと、たった1分でもいいから、自分の健康を意識し、カラダをいたわることに意味があります」
血行不良を招く原因は日々蓄積していくので、こまめに血液の滞りを解消させておくことが大事。
「この体操を習慣化すれば、不調対策や、アンチエイジングにもなります。1つの体操は1分以内でできますし、すべてをやらなくてもいいので、始めやすい体操から取り入れていきましょう!」
全身のしっかり体操
全身を使って行う体操は、血液が隅々まで行き渡るイメージで、筋肉を大きくゆっくり動かそう。イライラやドキドキで頭が過緊張状態の時にやると、力が抜け、気分転換にもなる。しっかり体操も、繰り返す動きを含めて1分間。
「呼吸は常にゆっくり、筋肉を縮ませる時に鼻から吸い、伸ばす時に口から細く長く吐いて。入浴後、カラダが温まっている時に行うとより効果的です」(富永さん)
腕フリフリ体操
重い頭を支え硬くなった筋肉をリズミカルにストレッチ。
1、足を肩幅程度に開いて立つ。両肘を外に開き、左右の乳首のあたりに両手のこぶしがくるようにする。肩に力を入れず、リラックスして。
2、腕の力は抜き、頭を正面に向けたまま大きく右に腕を振る。呼吸は自然に。
3、動きを止めないように、続けて左に腕を振る。頸椎(首の骨)を軸として、肩をリズミカルに左右に回転。1分間続ける。
シャガノバ体操
しゃがんで伸ばす“シャガノバ”は、血流アップ効果が最も高い体操。
1、しゃがんで足首を掴む。手は親指を内側に、くるぶしを掴むようにする。かかとが上がってしまっても大丈夫。視線は下向き。鼻から大きく息を吸い込む。
2、口から息を吐きながらお尻を持ち上げ、膝を最大限伸ばす。膝を伸ばした位置で息を吸ってひと休み。その後ゆっくり息を吐きながら、最初の姿勢に戻る。1~2回行えば◎。
足裏たたき体操
足全体の血がスムーズに流れ出し、末端冷えまで解消する。
リラックスして椅子に座り、片方の足をもう片方の太ももに乗せる。乗せた足とは反対の手を軽く握り、乗せた足の裏の土踏まずから、指の付け根の少し下、少し盛り上がった部分をグーでポンポンと叩く。左右10回ずつ。
肩スットン体操
体操後に手のひらを開くと、指先がピリピリするほど血流が改善。
1、椅子に深く腰掛けリラックス。手は太ももの上で軽く握る。目をつぶり、鼻から息を吸いながら、肩だけをグーッと持ち上げる。
2、目を閉じたまま、口から息を吐き、手を開いて肩をストンと下ろす。一連の動きを3回繰り返す。
指先ピーン体操
背中の太い血管から指先の毛細血管まで血液を流すための体操。
1、椅子に座り、両肘を外に開きながら、胸の前に両手を持ってきて握る。その状態で鼻から息を大きく吸い込む。
2、肘を後ろに引く。肩甲骨を寄せ合うようにして、グイッと後ろに引っ張って。肘の位置を下げないよう注意。
3、口から息を吐きながら両手のひらをバーンと前に突き出し、目一杯指を伸ばす。5秒キープ。一気に力を緩めて手を下ろす。一連の動きを3回繰り返す。
足先クイクイ体操
足の指先を意識して伸ばしたまま足首をクイクイ動かすことが大切。
1、椅子に深く座り、背もたれに背骨をつけて体重を委ねる。鼻からゆっくり大きく息を吸い、口から細く長く息を吐くようにしながら両足を持ち上げる。
2、鼻から息を吸い、口から吐きながらつま先をピンと上に立てる。この時、ふくらはぎとアキレス腱がグッと伸びているのを感じて。
3、鼻から息を吸い、口から吐きながら足の甲を伸ばす。小さく息を吸い、吐きながら足の裏を地面にストンと落として元の姿勢に戻る。これを3回繰り返す。
富永喜代さん 医学博士、「富永ペインクリニック」院長。呼吸と循環、臨床麻酔実績2万例の“血流コントロール”のスペシャリスト。著書に『血流がすべて』(アスコム)がある。
※『anan』2023年11月8日号より。イラスト・kame 取材、文・板倉ミキコ
(by anan編集部)