「筋トレや食事制限をしなくても、股関節のこわばりを取って正しい位置に戻せば、ぽっこりお腹は凹みます」(美容家・南雅子さん)
股関節があらゆる方向に動くことで、歩く、立つ、しゃがむ、前後屈、方向転換など、日常の多くの動作が可能になる。
「股関節が正しく機能していれば筋肉はフル稼働し、全身の動きも円滑に。でも歩き方や姿勢などの影響で周辺の筋肉はこわばりやすく、簡単にゆがむ関節なんです」
股関節がゆがむと骨盤が広がり、上半身を支えきれず背骨が落ちてしまう。するとお腹まわりの筋肉がうまく使えなくなり、お腹がぽっこり出てしまうというわけだ。
「ゆがみやすい場所は、逆に言えば整えやすい場所ということ。ほぐして整える2段階のメソッドを正しく行えば、1回でも効果を実感できますし、続けていけばペタンコお腹をキープできますよ」
股関節をほぐす
股関節は長時間動かさないでいると固まってしまうので、活動量が少なく、座っている時間が長いほど筋肉もカチカチに。まずは、ゆがんだまま固まっている股関節をしっかりほぐそう。
1、仰向けに寝て、足は股関節幅に開く。右手のひらを下腹に、左手の甲は仙骨に当てる。1~10では息は止めず、自然な呼吸を心がけて。
2、両脚の膝裏をしっかり伸ばしてから、左足の裏を床にスリスリと滑らせお尻の方に引き寄せる。
3、左足のかかとをグッと高く上げながらさらにお尻の方に引き寄せる。親指以外の4本の足指でしっかり床を押す。
4、右脚も同様に引き寄せ、右足のかかとを高く上げる。両足の指裏でしっかり床を押し込んで。両膝は離したまま、両くるぶしが内側にも外側にも倒れないよう注意。
5、左脚を脱力するイメージで、左膝をパタンと左側に倒す。背中や太ももの力は抜いたまま。
6、同様に、右膝も左膝を追いかけるように同じ方向に脱力させてパタンと倒し、両脚を揃える。このとき、腰がなるべく浮かないように。
7、首を伸ばしてから脱力し、顔をコロンと右側に向ける。右のこめかみを床につけるイメージ。左の首筋が気持ちよく伸び、上半身がねじれることで、ウエストがキューッと絞られていくのを感じて。
8、顔をスッと正面に戻し、首が伸びていくのを意識。
9、右足のかかとを上げ、右膝を元の位置に戻す。
10、左足のかかとも上げ、左膝を元の位置に戻す。両足の指裏でしっかり床を押し、おへそを引き込むようにお腹をペタンコにしたら、少しアゴを上げ、唇をすぼめてふぅ~とゆっくり息を吐き出す。両手を置く位置を入れ替え、同様の動きを反対側でも行う。
股関節を整える
ほぐした後に行うのが、股関節を正しい位置に誘導しながら、姿勢維持に必須な、太もも裏の抗重力筋を鍛える動き。股関節と骨盤が整い、そのうえに無理なく上半身が乗る美姿勢に。
1、足は腰幅より広めに開いてうつ伏せ。顔を左に向け、左手の甲を仙骨に当て、右手のひらを上に向け下腹の位置に差し込む。恥骨をせり出すようにして床にしっかりとつける。上半身の力は抜いて。1~3では息は止めず、自然な呼吸を心がける。
2、右足首を曲げ、かかとをお尻に近づけるように右膝を曲げる。恥骨は床につけたまま、お腹が出ないように凹ませた状態をキープ。
3、右足のかかとを最大限お尻に近づけたら、右足の甲を伸ばし床の方に足を戻す。2~3の膝の曲げ伸ばしを5回繰り返す。上半身の力は抜き、足の甲の曲げ伸ばしはしっかり行えるようゆっくり動作を繰り返して。手を入れ替え、顔の向きを変えて反対側も同様に。左右各5回。
4、両手を体側に自然と広がるように置いたら、上半身の力は抜いたまま、両膝裏をグーッと伸ばすイメージで両脚をできるだけ伸ばす。足指の先まで神経を巡らせて。10秒キープ。
南 雅子さん 美容家。整体エステ『ガイア』主宰。人間本来が持つ、機能的で美しい体づくりを提案。これまで、約12万人の施術を行った実績がある。近著は『たった1回でお腹が凹む 奇跡の股関節ほぐし』(SBクリエイティブ)。
トップス¥12,100 レギンス¥13,200(共にジュリエ ヨガ アンド リラックス TEL:03・5720・8256)
※『anan』2023年2月1日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・浜田あゆみ モデル・岩田絵莉佳(セントラルジャパン) イラスト・サヲリブラウン 取材、文・板倉ミキコ
(by anan編集部)