「カルテ」って、何語?【意外と知らない外国語雑学】
今回のお題は…「カルテ」
病院や歯科医院などでお医者さんが記入するカルテ。「診療記録カード・診療録」ともいいますが、カルテという名称のほうがなじんでいます。
とはいえ、もちろんカルテは日本語由来ではありません。では、何語でしょう?
ヒント:森鴎外が留学していた国の母国語です!
カルテの由来は…
正解は、ドイツ語です!
Karte(カルテ)はドイツ語の女性名詞。意味は、カードやはがき、クレジットカードなど。例えば、サッカーなどで用いられるレッドカードは、ドイツ語でdie Rote Karteと書きます。
ただ、独和辞典には、「診療記録カード」の意味は載っていません。日本のカルテにあたるドイツ語は、Krankengeschichteなど別の表記。つまり、診療記録としての「カルテ」は、日本独自の使い方なのです!
なぜドイツ語?
では、なぜカルテというドイツ語が日本の医療現場で使われるようになったのでしょう?
諸説あるようですが、本記事では明治時代にフォーカスします。当時、明治政府はドイツ医学を採用。医学部の教員もドイツから呼び、また、日本人の医師もドイツに留学していました。
例えば、新紙幣に登場する「近代日本医学の父」北里柴三郎や、文豪の森鴎外もドイツに留学。鴎外は、陸軍軍医としてドイツに留学し、衛生学など研究しました。
戦後は、アメリカ医学が主流となりましたが、それでもまだ医療用語として、多くのドイツ語が残っているのです。
カルテはドイツ語!
今回は、カルテの由来をご紹介しました。
医療ドラマなどを見ていると、結構ドイツ語由来の言葉が飛び交っています。実は耳慣れたさまざまな言葉が、ドイツ語かもしれませんよ!
参考資料:
『独和大辞典』小学館
『コンサイス カタカナ語辞典』(三省堂)
日本医事史 < 明治時代 (osaka-minami-med.or.jp)
https://osaka-minami-med.or.jp/ijisi/01.html