田代 わこ

「ゲレンデ」って何語?【意外と知らない外国語雑学】

2022.2.12
ふだん何気なく使っているカタカナ語の由来や、意外に知らない略語の正式名称など、外国語の雑学をクイズ形式でご紹介。語学教材元編集者の “語学大好き”ライターがお届けします。今回のワードは「ゲレンデ」!

今回のお題は…「ゲレンデ」

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冬になると見聞きすることが増える「ゲレンデ」。スキーをしない人でも、「スキー場」という意味はイメージできる言葉です。また、90年代にスキーブームを巻き起こした映画『ゲレンデがとけるほど恋したい。』を思い出す人もいるもしれません。

そんな冬の景色と結びつく「ゲレンデ」、もともと何語だったのでしょう?

ヒント:スキー競技強豪国の母国語です!

ゲレンデの由来は…

正解は、ドイツ語です!

Geländeはドイツ語の中性名詞。カタカナで発音を書くと「ゲレンデ」で、Geländeの「ä」部分にアクセントがあります。

Geländeの主な意味は、「土地、地形、敷地」などです。

ちなみに、カタカナ語になっている「ゲレンデスキー」は、和製語。

同じく、ゲレンデにいるスキーウエア姿の異性がステキに見えてしまうことを指す言葉「ゲレンデマジック」も和製語です。

さらに日本語とミックスした「ゲレ食」なんてワードも誕生。言葉の進化や変化って、おもしろいです。

ドイツ語はスキーや登山用語に多い!

カタカナ語になっている「ゲレンデ」は、スキー場のほかに「ロック‐クライミングの練習場」という意味もあります。

実は、スキーや登山など山岳関係の言葉はドイツ語由来のものが割と多いのです。

スキーの回転技術のひとつ「ボーゲン」も、ドイツ語Bogen由来。また、登山用のロープを指す「ザイル」もドイツ語のSeilです。

ちなみに、近代のスキー技術がヨーロッパから日本に伝来したのは1911(明治44)年。オーストリア=ハンガリー帝国の軍人、テオドール・フォン・レルヒが新潟県上越市高田でスキー術を日本の将校たちに指導したのがはじまり、とされています。

ゲレンデはドイツ語!

今回は、ゲレンデの由来をご紹介しました。

ゲレ食を食べるときがあったら、ぜひゲレンデがドイツ語だったことを思い出してみてください!

参考資料:
『クラウン独和辞典』(三省堂)
https://www.city.joetsu.niigata.jp/site/museum/sisetu-ski.html