田代 わこ

「ピアノ」って、何語?【意外と知らない外国語雑学】

2022.2.11
ふだん何気なく使っているカタカナ語の由来や、意外に知らない略語の正式名称など、外国語の雑学をクイズ形式でご紹介。語学教材元編集者の “語学大好き”ライターがお届けします。今回のワードは「ピアノ」! 

今回のお題は…「ピアノ」

学校の音楽室にあったピアノ。子どものころ、習っていた人も多いと思います。あまりにも耳慣れた言葉ですが、もちろん日本語由来ではありません。

では、ピアノという言葉は、どこから来たのでしょう?

ヒント:音楽や歌が大好きな、ヨーロッパにある国です!

ピアノの由来は…

正解は、イタリア語です!

イタリア語では、ピアノのことをpianoforteと書きます。発音はカタカナで書くと「ピアノフォルテ」。男性名詞です。

ピアノは、18世紀はじめにイタリアの楽器製作者B=クリストフォリが考案したもので、ハープシコードを改良した鍵盤楽器です。

日本に伝わったのは、幕末期。1823年にシーボルトが持参したものが現存する最古のものといわれています。

なぜピアノに…?

イタリア語でピアノを意味するpianoforte。なぜ、この名前がついたのでしょう?

まず、pianoforteを二つに分けて、その意味を見てみます。
piano「弱く」
forte「強く」
※ほかにも多くの意味があります。

音楽の授業で習った強弱記号「フォルテ」「ピアノ」を覚えている人も多いと思いますが、まさにそれらもイタリア語由来。

当初ピアノは「強弱のつけられる鍵盤楽器」とイタリア語で名付けられ、そこから「ピアノフォルテ、またはフォルテピアノ」となりました。日本語や英語では、さらに省略して「ピアノ」が使われています。

ちなみに、イタリア語でもpianoforteをpianoと書くこともあり、辞書にも載っています。ただ、筆者がイタリア語を習っていたとき、イタリア人の先生は「楽器を指す場合は『pianoforte』を使って!」と仰っていました。

ピアノはイタリア語!

今回はピアノの由来をご紹介しました。

「子どものころ、ピアノフォルテを習っていました~」なんて使ってみたら、ツウっぽいかも!

参考資料:
『日本国語大辞典』(小学館)
『世界大百科事典』(平凡社)
『伊和中辞典』(小学館)