田代 わこ

「アルバイト」って、何語?【意外と知らない外国語雑学】

2022.2.12
ふだん何気なく使っているカタカナ語の由来や、意外に知らない略語の正式名称など、外国語の雑学をクイズ形式でご紹介。語学教材元編集者の “語学大好き”ライターがお届けします。今回のワードは「アルバイト」!

今回のお題は…「アルバイト」

きっと誰でも一度は経験したことのあるアルバイト。「今日、バイトの面接行ってきた~」など、ふだんから使っていると思いますが、どこの国の言葉か知っていますか?

フランス、オランダ、ドイツ、スペイン……さて、どんなイメージ?

ヒント:日本と同じく、勤勉な人が多いといわれている国の母国語です!

アルバイトの由来

正解は、ドイツ語です!

Arbeitはドイツ語の女性名詞。意味は、「仕事・労働」などで、発音はカタカナで書くと「アルバイト」。「ア」の部分にアクセントを置いて読みます。

でも、ドイツ語のArbeitには、日本で使う「一時的な仕事」のような意味はありません! 

日本語の「アルバイト」的な仕事を表すドイツ語は「Job」(ジョッブと発音)。こちらは英語由来の言葉です。

なぜ「アルバイト」が定着?

なぜ、ドイツ語のArbeitが日本で使われるようになったのでしょう?

諸説ありますが、旧制高校でドイツ語を学んでいた学生たちが、スラングとして使い始めたという説が有力。Arbeitには、「仕事」のほかに「勉強、研究、論文」という意味もあるので、学生たちにとっては身近な言葉だったようです。

その後、第二次大戦後の混乱期、経済的に困窮していた学生たちが一時的な仕事として「アルバイト」をしはじめたことから、一般化していったそうです。

アルバイトはドイツ語!

今回は、アルバイトの由来をご紹介しました。

これからは、「ア」にアクセントを置いて「ルバイト」とドイツ語っぽく発音してみるといいかも!

参考資料:
『クラウン独和辞典 第4版』(三省堂)
『世界大百科事典』第2版(平凡社)