異動先の女性上司に疲弊…30代女性のメンタルを崩壊した壮絶なパワハラの実態【前編】

文・並木まき — 2024.4.23
職場の人間関係が悪化することで、会社に行きたくなくなることもありますよね。過干渉な女性上司の存在に苦しみ、出社をするのが困難になってしまったという30代女性のエピソードを、メンタル心理カウンセラーの並木まきがご紹介します。

異動で配属になった女性上司の性格に問題が…

Business colleagues having a conversation.

「入社して8年目のときに、異動で私の上司になった女性が本当にひどい性格の人でした。いわゆる“お局”的な存在で、後輩女性からはかなり嫌われていたようですが、仕事はデキるのでやたら出世は早かったです。

私はもともと人間関係の構築には自信があったので、どんな人が私の上司になっても『うまく付き合えるだろうし、まぁ大丈夫かな』と思っていたんです。ところが、上司からの過干渉は、私の想像をはるかに超えるものでした…」

こう話すのは、30代の佳織さん(仮名)。この上司の行動は、最初のうちは「どんな家に住んでいるの?」「ご両親はどんな人?」といった程度の干渉だったものの、だんだんと佳織さんの私生活に対して踏み込んだ質問をしてくるようになったのだそうです。

部長を誘惑するような指示を出され…

「女上司は『付き合っている彼はいるのか』、『彼とはどんなデートをしているのか』などとプライベートのことも聞いてくるようになりました。

さらに、社内の人間関係にも口出しをしてきて、『●●さんは性格が悪いから口をきかないほうがいい。これは上司としての命令です』とか『△△部長は若い女性と不倫をしたがっているらしい。不倫まではしなくていいけど、あなたが色気を出せばうちの部署にいいことがあるかもしれないから、そうして』などと、メチャクチャな要求までしてくるようになったのです」

突然、体が動かなくなり…

Depressed upset woman feeling hurt sad stressed troubled with problem

パワハラと捉えられるような発言をされても女上司といい関係をキープすることが、仕事にもいい影響を与えると考えていた佳織さんは、上司からのメチャクチャな要求に応えたり、上手く受け流すようにしていたとのこと。プライベートな質問にも笑顔で接し、上司との関係を壊さないように気をつけていたと話します。

「しかし、そんな日々が続く中で、表面的には平然と振る舞っていた私も、心ではけっこう無理をしていたみたいで…。ある日いきなり『もう、会社に行きたくない!』となってしまい、体が動かなくなってしまったんです」

自分でも気づかないうちに、かなりの無理をしてしまっていた佳織さんは、その日を境に体調を壊し、会社を休みがちになってしまったそう。それでも無理をして会社に行き、上司との関係にも気を遣って自分を騙しながらも生活を続けていたそうですが、だんだんと深刻な事態に陥りました。

「会社に行きたくないと思ってから、完全に行けなくなるまで1か月もかかりませんでした。だんだんと体の調子が悪くなって、そのうちに“めまい”で起き上がれなくなったり、会社に行こうと思うと体が重く感じてお腹が痛くなったりもしました。

無理をして会社に行けていた日もありましたが、だんだんと無理もきかなくなり、会社を休む日が増えていきました」

そして気づけば、1週間のうちに1日も会社に行けない日が続いてしまった佳織さん。「このままでは、仕事を失ってしまうかもしれない」という恐怖を抱えながらも、上司の顔が頭に浮かぶと強烈な体調不良に見舞われるという日々を送っていたそうです。


しかし、そんな佳織さんにも転機が訪れ、事態が動き出すのです。

佳織さんを助けた「意外な人物」とは… 後編に続きます



どんなに仕事が好きでも、職場の人間関係が原因で予期しないトラブルに見舞われることもあるでしょう。佳織さんのように直属の上司に問題があると、自分だけではどうしようもできない悩みに直面することだってあります。

早めに身近な人に相談し、第三者も交えて対処できればベストですが、職場の雰囲気や上司との関係性によっては難しいこともあるのが現実ではないでしょうか。

©fizkes/courtneyk/gettyimages

※ 2022年10月22日作成