一種のいじめのような状態でした…32歳女性が憔悴したブラック職場での体験【前編】

文・塚田牧夫 — 2024.2.27
仕事を選ぶときは、業務内容や給料、環境など自分が望む条件の中でよりいいところを探しますよね。しかし、実際に働き始めると、予想していた環境とずいぶんと違うこともあると思います。梨花さん(32歳・仮名)も以前の勤務先がブラックな職場で、憂鬱な日々を過ごしていたのだとか。当時の状況を詳しく語ってもらいました。

町の小さなクリニックに再就職

Patient paying at clinic

「私は以前から医療事務として働いていました。でも、夫と離婚し1年ほど体調を崩していたので、療養をしていたんですね。体調が回復したところで、新たな職場で働き始めることにしました。

そこは、町の小さな整形外科のクリニックで、男性医師が1人に看護師の女性が2人、事務兼受付の女性が2人の計5人が働いていました。

私がそれまで働いていた場所と大きく違うのは、紙のカルテを使用していたこと。受付の後ろに本棚があり、天井の高さまでビッシリ詰まっていました。

私がこれまで勤務していたクリニックは電子カルテを使っていたので、最初はなかなか仕事に慣れず、主に雑用を任されることが多かったです」

無言の圧力に…

「銀行に行ったり、こまめにトイレ掃除をしたりと雑用をこなしていたんですが、大変なのがスタッフのお弁当を買いに行く役目です。

お昼休みはみんなでとることが多いんですが、その際のお弁当の準備も私の仕事でした。なのですが、みんな注文が別々で…。5人分それぞれの店舗を回らなければいけないんです。

私はその土地にも慣れていなので、ただでさえ時間がかかるうえに、混んでいるので、お昼ご飯の買い出しで30分ほどかかってしまうこともありました。

そうすると、クリニックに戻ったときは、“遅いよ”と直接的に言われないまでも、周りからはそんな雰囲気が出まくっています。おまけに、みんなで集まってもずっと無言なので、非常に息苦しい休憩時間でしたね」

対応が横柄な患者が多く…

「クリニックの患者さんは高齢者が多く、丁寧な説明が必要となり、ひとりひとりにかける時間が自然と長くなっていました。

それに、比較的横柄な人が多くて…。態度が悪く、待ち時間が長かったりすると、支払いの際にお金を投げつけてくるような人もいました。

お昼休みには、玄関の鍵を閉め忘れてしまうと勝手に入ってくる人もいて…。“待たせてもらう”と待合室にあがりこんでくる人もいました。

するとまた、ほかのスタッフから、“なにやってんだよ…”という無言の圧が私にかかってしまうのです」

クレーム対応にも見て見ぬふり

Woman in headphone work as operator of call centre feeling stress

「1番大変だったのが、電話対応ですね。営業時間や次回の予約など、患者さんに直接説明しても間違える人もいたのに、さらに電話で問い合わせされることも多くて。

それに加えて通常業務もこなさないといけないので、てんやわんや。さらに、クレームの電話も多く、困りました。

クレームの対応のとき、もうひとりの事務の人は、スパッと断ち切ることができるのですが、私はそれができません。一応ちゃんと話を聞いてから応えようとするので、どうしても時間がかかってしまいます。

お昼休みに、クレームの電話がかかってくることも多々ありました。でも、昼はほかのスタッフは誰も電話に出ません。私が出るしかないんです。それがクレーム対応だったりすると、みんな見て見ぬふり。

30分~1時間ほど対応することになり、終わるころにはもう午後の診療の準備をする時間となります。お昼の弁当が食べられず、持って帰って夜ご飯にしていたことが何度もありました」


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小さいクリニックだからこそ、アットホームな環境のところもありますが、梨花さんの職場はそうではなかったようです。会社の雰囲気や人による影響も大きいとは思いますが、患者さんと接するときでもマイナスなことが加わり、かなり厳しい職場環境となっていたのでしょう。

©kokouu/Somchai um-im/gettyimages

※ 2022年10月1日作成