レストランジャーナリストの犬養裕美子さんがオススメのレストランをご紹介。今回教えてくれたのは、東京・新宿にある『すし匠』のばらちらしです。
すし匠
一口一口、違う味に出合い、食べ進むうちに旨味が重なる。最後は海全体を味わったような感動のエンディング。吸い物、漬物がついて¥2,000。親方譲りの絶妙な気配りで寿司の世界を楽しくする勝又さんに期待大!

「へい、お待ち!」。目の前にトンと置かれた『すし匠』のばらちらしは惚れ惚れする美しさ。今年も一年よろしくお願いします! と手を合わせたくなる。少し甘めの錦糸卵を敷き詰めた上に、小肌、鯖、イワシ、アイナメ、マグロの赤身、鯛、カンパチ、ズワイガニ、車海老、サワラの皮、鮑、筋子、紫ウニなどなど。35種類近くの寿司ネタがのる。

そのひとつひとつが塩で締める、酢でしめる、炙る、煮るなど、江戸前寿司の技法、『すし匠』の仕事のすべてが込められている。それにしても今日はいつにも増して鮮やか。その理由は、31歳の新親方・勝又啓太さんの采配による。『すし匠』といえば「寿司屋が行きたい寿司屋」で全国1位に選ばれたプロの評価が高い店。親方・中澤圭二氏は世界に江戸前寿司の技法を広めるために、現在はハワイ店で活躍中。東京の本丸は、氏のもとで12年の修業を積んできた勝又さんに任された。

すし匠

「寿司屋が行きたい寿司屋」1位のお店、ぜひ行ってみたい!

「僕は赤、黄色、緑、黒など色を利かせるのが好き。親方のスタイルを守りつつ、自分らしさも出していきたい」と勝又さん。最近、ばらちらしを出す寿司屋を見かけない。「手間がかかるからね。でも、昼のお客さんも大事だし、若い子の勉強のためにもうちはずっと続けます!」。絶滅危惧メニュー候補のばらちらし。ありがたくいただきます!

いぬかい・ゆみこ レストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。

東京都新宿区四谷1-11 陽臨堂ビル TEL:03・3351・6387 昼11:30~13:30(月・水・金曜のみ) 夜18:0 0 ~ 日曜、祝日の月曜休 ランチのばらちらしは1日限定30食。

※『anan』2016年2017年1月11日号より。写真・清水奈緒 取材、文・犬養裕美子

(by anan編集部)

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