作中アニメで活躍! 高橋李依&堀江由衣&花澤香菜が語る『ハケンアニメ!』の魅力

エンタメ
2022.05.22
最高のアニメを意味する“覇権アニメ”を作るべく2人の監督が奮闘する、映画『ハケンアニメ!』。その作中アニメは、参加声優陣も超豪華!?

『ハケンアニメ!』作中アニメ…スタジオえっじの『運命戦線リデルライト』

スタジオえっじが挑む魔法少女アニメ『運命戦線リデルライト』。登場人物の声を担当する高橋李依さん、堀江由衣さん、花澤香菜さんにお話をうかがいました。

Entame

STORY
行方不明の妹を捜す魔法少女の充莉は、自らの魂の力で乗るバイクを変形させ、ライバルたちとレースで競い合う。第1話に6歳で登場する充莉は、年に1度のバイクレースでのバトルを通し、仲間やライバルと共に、1話1歳ずつ年を重ねていく「成長するヒロイン」。

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CHARACTER
充莉:心優しく明るい主人公。3歳年下の妹が行方不明となり、妹を救うためバイクレースに参加。
清良:充莉のいる世界と鏡写しとなる世界の住人。充莉と運命を分け合う対になる相手。
デル:充莉をバイクレースに誘った不思議な動物。ガラスや鏡の中、水の中などに現れる。
詩織:中学校で充莉たちに出会う。オタク気質なところがあり、眼鏡がトレードマーク。
七菜香:充莉の親友であり、良き相棒となる。クールでニヒルな性格の持ち主で、自転車屋の娘。
圭:充莉たちが中学校で出会う。幼い頃から芸能活動をしている、大人びた美少女。
悠樹:ボーイッシュで明るい天然キャラ。野球選手が夢で、男子のリトルリーグに参加している。

高橋李依as充莉

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映画に登場する人みんな本当にアニメが大好きなんだな、ということが伝わってくる作品でした。ぶつかる理由も、いいものを作りたいから、アニメが好きだから、作品を届けたいから戦っているところが素敵でしたね。なかでも原画さん(小野花梨)は、どこかでお会いしたことがあるんじゃないかというくらい既視感のある雰囲気で(笑)。人の良さと職人気質がとても魅力的でした。雑誌の撮影で、アニメの決め台詞を言わされる斎藤(瞳)監督の“何をやらされてるんだろう”感も面白かった(笑)。観ているこちら側にも心の機微が伝わってくる繊細な空気の描き方が素晴らしかったです。

斎藤監督がアフレコで何度もNGを言い渡すシーンがありましたが、個人的にここまで諦めないでいてくれるのはありがたいなとも感じてしまうんですよね。本当はOKではないんだろうな、という声音で「OKです」と諦められてしまうより、たとえ声のトーンが厳しくても、何度もやり直しさせてくれるのはやさしいな、作品のためだなと思えて。私、以前「リテイクをもらうのは悪いことじゃないんだよ」と、新人時代に言われたことがあるんです。リテイクは一度聞いてもらった上でより良い演技を引き出すものだから、怖がってちゃダメだよって。とはいえ、声優の現場って、基本テストと本番の2回しかないので、その収録が終わった後にリテイクの真意に気がついたり、別の可能性を思いつくことも。常に引き出しを増やしたり、瞬発力を磨いておきたいですね。

私のきっかけはアニメが好きで声優を目指しました。今回共演もさせていただいている小林ゆうさんのように、男性も女性も演じられるなんて素敵な仕事だ! と衝撃を受けまして。それに声の演技だけでなく歌ったり、しゃべったり、声を使った様々な表現活動ができるのも魅力で。群野葵ちゃん役で映画に出演している高野麻里佳ちゃんとはイヤホンズとして一緒に音楽活動もしています。いわゆるアイドル活動と括られがちですが、“声優ができる音楽ってなんだろうね”ということに主眼を置いたユニットで、声を使って表現する実験的な活動も楽しいです。

私はアニメを見るのも、作る過程も、作ってる人も大好きですが、みんなで作った作品をいろんな方と共有できる瞬間が特に嬉しく感じます。人と“楽しい”を共有したい。その想いがこの仕事に生きてるのかなって思います。

たかはし・りえ 2月27日生まれ、埼玉県出身。2013年より声優として活動を始め、TVアニメ『魔法つかいプリキュア!』朝日奈みらい/キュアミラクル役、『Re:ゼロから始める異世界生活』エミリア役など出演作多数。

衣装協力・AuntMarie's/アンティローザ TEL:03・6431・9431 ete TEL:0120・10・6616

堀江由衣asデル

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この映画をひとことで言うなら、“戦い”ですね。監督には監督の戦いがあり、制作や宣伝、アニメーター、そして我々声優など、それぞれの戦いが描かれつつ作品同士の戦いもあって…。いろんな立場の人たちの想いが詰まっています。声優という仕事の大変さは理解しているつもりですが、アニメ制作現場は近いようで知らないことが多いので、勉強になりました。映画の登場人物を見て「こういう方、いる!」と思ったり(笑)。現場では余裕に見える監督でもプレッシャーを感じることがあるんだなということをあらためて感じましたし、いろんな気づきを与えてくれました。仕事をしている方ならきっと共感できる作品だと思います。

作中、まりんかちゃん(高野麻里佳さん)演じる葵ちゃんが斎藤監督に何度もダメ出しされるシーンは胸が痛みました(笑)。私にも、何回やってもOKが出ないことがありましたし、つらいだろうなと思ってすごく共感しました。でも、最後の最後に監督が彼女にかけた台詞は胸アツでしたね! 仕事って、できるのが当たり前、褒められることはあまりないじゃないですか。だけど、作品が終わって監督や音響監督さんに良かったよって褒めてもらえると、それだけで頑張れちゃうんですよね。私自身、そういう言葉一つひとつを大切にしていますし、それが声優というお仕事を続ける原動力にもなっているので、あのシーンは特に印象に残っています。

私が声優を志したきっかけも斎藤監督とちょっと似ていて、子供の頃に見たアニメのヒロインに憧れたからです。「この人になりたい!」と思って、そのキャラクターになりきって友達と遊んでいました。お芝居が好き、というよりも物語の中に入りたいという気持ちのほうが強かったので、声優として演技の勉強を始めたばかりの頃は戸惑いました。でもやっぱり私は物語の中に入ってその世界に没頭するのが好きなので、声優として子供の頃に憧れたヒロインをやらせていただいたり、自分がなりたかったものになれたことは幸せだなと感じています。

映画の中で私は『運命戦線リデルライト』のデルという不思議な生物を演じています。作中アニメとはいえアフレコ自体は普段と同じ作業なんですけど、ちょっと不思議な感じがして楽しかったです(笑)。アニメだけでなく、実写のシーンでも私の声が流れるところがあるので、ぜひ見つけてみてください。

ほりえ・ゆい 9月20日生まれ、東京都出身。アニメ〈物語〉シリーズの羽川翼役をはじめ、『魔法つかいプリキュア!』十六夜リコ/キュアマジカル役など幅広く活躍。11th album『文学少女の歌集II‐月とカエルと文学少女‐』が発売中。

花澤香菜as清良

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アニメを見てワクワクする気持ちってあるじゃないですか。他のコンテンツでは味わえない「何だこれ!」を作っているのは、この仕事を愛して、一生懸命頑張ってくださっている人たちなんだというのがよくわかる作品です。映画を観たら、よりアニメを楽しめるようになるんじゃないかと思いますね。作中アニメのアフレコは難しかったです。カリスマ的な王子(千晴)監督に選ばれた声優だという説得力がないといけないと思うと責任重大でした。短いシーンの中で、充莉ちゃんとの関係性を出さなきゃいけないというのもあって、ト書きから読み取れるもので自分なりに清良を作り上げて、演じました。

葵ちゃんが収録のときに泣き出しちゃうシーンがあったじゃないですか。私も一度だけ同じ経験があるんです。当時は高校生で、言ったこともないような辛辣なことを可愛い声で言うというのがどうしてもできなくて。感情がこみ上げてきて、泣いちゃったんですよね。でも、これはプロとして絶対にやってはいけないことだと思って、それ以降は泣いたことはないんですけど。今でもたまに新人の子が泣いているのを見たりするので、辻村(深月)さんの取材力と描写力は本当にすごいなと感じました。

実は当時、高校卒業したら芸能活動をやめようと思ってたんですよ。それで、お世話になったスタッフの方にご挨拶に行ったら、「声がいいからやめないで!」と言われて。それまでにも声優のお仕事をしたことはあったけど、自分の声がいいとか、声のお仕事でやっていけるとか考えたこともなくて。でもその言葉を聞いて、これからは声優一本で挑戦しようと思って、その方がいる事務所に直談判したんです。もしかしたら「本当に来た」って思われたかもしれないけど(笑)、その方が私のマネージャーをやってくださってました。

17歳のときに『ゼーガペイン』という作品でヒロインをやったんですけど、当時はインターネットで棒読みってめちゃくちゃ叩かれました。自分でも自覚はあったので、どうしたらうまくなれるか、自分なりに必死に考えましたね。今その作品を振り返ると、等身大の17歳の女の子らしさを感じるんですけどね。ただ、下手くそを自覚して、変わりたいと思ったときからいろんなことをやり始めて、ちょっとずつ自分のできることが増えていって…。「考えることをやめない」ことが私には一番大事だったのではないかと思います。

はなざわ・かな 1989年2月25日生まれ、東京都出身。2003年、『LAST EXILE』のホリー・マドセイン役で声優デビュー。以降、アニメ〈物語〉シリーズの千石撫子役、『はたらく細胞』赤血球役、『鬼滅の刃』甘露寺蜜璃など、多数出演。

映画『ハケンアニメ!』 新人アニメ監督・斎藤瞳を吉岡里帆、彼女を振り回すプロデューサー・行城理を柄本佑、天才監督・王子千晴を中村倫也、王子に振り回されるプロデューサー・有科香屋子を尾野真千子が演じる。この2組、覇権を取るのはどっち!? 監督/吉野耕平 脚本/政池洋佑 出演/吉岡里帆、中村倫也、柄本佑、尾野真千子ほか 5月20日より全国公開。©2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会

※『anan』2022年5月25日号より。写真・小笠原真紀(高橋さん) スタイリスト・網野正和(高橋さん) ヘア&メイク・Yuu.(高橋さん) 取材、文・伊 季姫

(by anan編集部)

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