フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『fileja(フレア)』のパスタコースです。
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「あー、もうメインは無しにして、パスタ4種類くらい食べたい!」と思うことがよくあるほどパスタ好きの私だが、4種どころかコースの約半分をパスタが占める店が秋葉原に誕生した(私のための店だ……!)。今年9月オープンの『fileja』は、パスタの名店『トルッキオ』で約6年研鑽を積み、パスタの魅力に取り憑かれたシェフ・実山勝一さんが少量多種のパスタ料理をあの手この手で提供するレストラン。秘密の実験室のようなグレートーンのカウンターにパスタマシンが鎮座し、ほんの僅かな乾燥さえ惜しむようにフレッシュな手打ちパスタが次々仕上げられていく。

一皿目の詰め物パスタ“トルテッリ”は、直前で作るからこその中身と生地の一体感が白眉で、ぷるんと弾けるような食感に驚く。シンプルな組み合わせでも、技術や手間の積み重ねで飛躍的なおいしさが生まれることを物語る料理だ。「イタリアにはパスタが650種以上あります。その土地土地の味わい深く多様な郷土パスタを味わっていただきたいです」と実山シェフ。次のパスタは……と思いきや、今度は木馬のような巨大パスタマシン“トルキオ”にまたがって打ち始めたのは“ビゴリ”。こんなパスタもあるのか。未知の世界に足を踏み入れるワクワクと腹の底から満ちるようなおいしさの両方が宿る、魅惑のパスタコースがそこにある。

パスタコース約12品(¥12,000)より。右上から時計回りに、からすみとブロッコリーのビゴリ、ジャガイモを詰めたトルテッリ、愛媛産みかん猪の詰め物パスタ。グラスワイン¥1,100。胡椒をパスタの半分のみに練り込み、味のデザインをするなど、パスタの可能性が広がる。

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fileja 東京都千代田区神田須田町2‐13‐1 ノルン秋葉原1F TEL:03・6262・9997 12:30~16:30(日・祝日のみ)、18:00~22:00  水曜休 要予約、1日8名限定。

ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。

※『anan』2021年12月22日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子

(by anan編集部)

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周りとの温度差や⼿応えのなさに、ふと虚しさを感じるかもしれません。現状を変えたい強い想いがあっても、今は感情に任せて動くのは控えておくべきです。今度どうしたいかは⾃問しつつ、周りには温和に接して摩擦を避けること。冷静に、そして柔軟でいることで、⾃分をすり減らさずに次の好機を静かに待つことができます。

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