人生の先輩的女性をお招きし、お話を伺う「乙女談義」。今月のゲストは日本のミュージカル界のトップスター、前田美波里さん。第2回は「57年前のミュージカルは、分業制だった?!」。
Talent

10代前半までバレリーナを夢見ていた私でしたが、ひょんなことから母の知り合いが私のマネージャーになり、なぜか「芸術座で上演するミュージカルのオーディションを受けてみませんか?」と言われ、受けることに。ずっと使っているバレエの稽古着に、マネージャーが買ってきた網タイツ、それから履いたこともないハイヒールで、わけも分からず、バレエのポーズを8つ披露したら、なぜか1位で通ってしまったんですよ…。それで出演したのが、日本で2作目のミュージカルだった、『ノー・ストリングス』。それが私の初舞台。当時の日本には、ミュージカル文化なんて皆無ですから、歌って踊って芝居もできる役者がいなかったんですよ。だからなんと、歌う役者、踊る役者、ポーズを決める役者がそれぞれいて、いわば分業制だったの。私も、舞台に歩き、ポーズを決め、引っ込む。それで終わり(笑)。今考えると、なんとも不思議なミュージカルだったと思います。

なんと20歳で結婚。決断した理由は…。

初舞台後、私は18歳で資生堂のポスターのモデルに抜擢され、それがとても話題になりました。ただ、当時の状況は私にとってはつらい経験で。あまり興味のない映画に出させられたり、私がハーフであることを今まで言われたことがないような言葉で記事にされたり…。それでもう芸能界がイヤになり、知人に紹介されたマイク眞木さんと、20歳で結婚し、仕事、やめちゃったんです。確かに早いですよね、20歳の結婚。でも私には、嫌な世界から逃げる方法がそれしかなかったし、二人とも片親だったので、お互い早く温かい家庭を作りたかったんだと思います。結婚後、二人でアメリカを旅しようと、出国しました。

でもそこからも波瀾万丈で…(笑)。お金を盗まれ、彼と二人、歌を歌って日銭を稼いだこともありました。そしてモダンバレエのクラスに通ったことで、踊る喜びが蘇った。その後帰国し、離婚。舞台への思いを再認識し、前田美波里の第二章が始まりました。

まえだ・びばり 俳優。1948年生まれ、神奈川県出身。’64年、ミュージカルで初舞台。以来数々のミュージカルや舞台で活躍。来年8月、ミュージカル『ピピン』の再演が決定した。

ジレ¥41,800(DUEdeux TEL:03・6228・2131) ワンピース¥146,300(ロッコラーニ/ステラ TEL:03・5408・5171) ピアス¥38,500(ウノアエレシルバーコレクション/ウノアエレ ジャパン TEL:0120・009・488) リングは本人私物

※『anan』2021年7月21日号より。写真・小川朋央 スタイリスト・松田綾子(オフィス・ドゥーエ) ヘア&メイク・矢野トシコ(SASHU)

(by anan編集部)

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これまでの歩みを冷静に⾒つめ直す、静かなタイミングです。まずは⾃分の中で、そっと気持ちを整理してみましょう。事を急いで半端なことをしないことが⼤切です。⼼配しなくても、これまで積み重ねてきた努⼒は無駄にはなりません。その真っすぐな姿勢はいずれ認められます。しっかりと形になるまで気を抜かないことです。

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