――全編に張り巡らされた伏線が、最後の1本で次々に回収されていく構成が鮮やかでした。どうやってライブは作っていくんですか?
水川かたまり(以下、かたまり):大筋を考える時点ではカッチリ決めず、一本一本作りながら、繋がりが見えてくる感じですね。
――会場のチケットは即完売。配信チケットも1万枚以上も売れたとか。
鈴木もぐら(以下、もぐら):東京03の飯塚(悟志)さんだとか先輩方が褒めてくれて、それならとアーカイブを見てくれた人がSNSで感想を言ってくれて広まったので、みなさんにチケットを売ってもらったという感覚。本当にありがたいですね。
かたまり:単独ライブを軸に活動したいと思うきっかけになった、かもめんたるの(岩崎)う大さんから直接メッセージをいただいた時は、喫茶店で涙を流しました。
――舞台では緊張しますか?
もぐら:僕はすごくします。どうも緊張する人のほうがギャンブルにハマりやすいらしいです(笑)。
かたまり:僕は、ネタよりもテレビの収録でVTRを見てる時のほうが緊張しますね。上手くできてない自覚があるので。この前は、ほぼVTRを見る2時間番組で、一回もワイプで抜かれず…。使われれば、それが正解だってわかるんですけど。
もぐら:全問不正解だった(笑)。
――このライブでもキーになっているラジオは?
かたまり:ラジオは週1~2回のライブしか仕事がない時期に始めさせてもらったので、ホーム感覚ですね。
もぐら:20代の僕にとって、ラジオは社会とのつながりでしたね。当時、電気を解約してたので、朝からひたすらラジオを聴いてました。
かたまり:もぐらはテレビを見てなかったから、芸能人の顔と名前が一致しないんですよ。佐藤健さんと武井咲さんとご一緒させてもらった時も「こんな顔だったんだ」って。
――知名度が上がっている実感は?
もぐら:全然ないんですよ。声をかけてくれるのは、パチンコで隣に座った人か夜の街の人か、ラジオのリスナー。anan読者が僕らを知ってるとは信じられなくて。
かたまり:DVDのタイトルを「anan」の誤植と勘違いして、何らかの方法で入手していただけたら。
――タイトル、気になってました!
もぐら:由来は土屋アンナさんなんです。『オールスター感謝祭』で気さくに接してくれて、水川が公開プロポーズした時もコメントをくれたのに反故にしちゃって…(昨年末に結婚11か月でスピード離婚)。
かたまり:その謝罪と名前も聞いたこともない芸人によくしていただいた感謝の意味を込めてつけました。
もぐら:僕は夢が馬主。このDVDが売れて、蹄の音が遠くから聞こえてきたら嬉しいです(笑)。
『anna』 今年2月に行われた第4回単独ライブの最終公演を収録。TBSラジオ『空気階段の踊り場』のトーク映像集と’19年11月のイベント「空気階段の大踊り場」が映像特典としてつく。¥3,850(TBSラジオ/よしもとミュージック)
くうきかいだん NSC東京校17期生の鈴木もぐら(写真左)、水川かたまり(右)が2012年結成。『キングオブコント2019』決勝戦に残り、脚光を浴びる。TBSラジオ『空気階段の踊り場』のパーソナリティを務める。ライブ先行予約や生配信などを行うオフィシャルサイト「空気階段の屋上」(月額500円)がオープンした。
※『anan』2021年6月2日号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス) 取材、文・小泉咲子
(by anan編集部)