向井太一のぶれない強さ 4thアルバムで“あまのじゃく”を卒業?

2021.4.26
m-floの“loves”シリーズ参加やKEN THE 390のフィーチャリングにSKY-HIと共に参加するなど、ボーカリストとしての確かな才能に熱視線を集めつつ、NEWSや片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)への楽曲提供でも高い評価を得ているシンガーソングライターの向井太一。1年半ぶり4枚目となるフルアルバム『COLORLESS』をリリースした。
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「タイトルは“無色”をイメージしています。純粋さや混じり気のないまっすぐな気持ちを伝えたくて」

’19年リリースの3rdアルバム『SAVAGE』では自分の中に抱えていた暗い不安や焦り、憤りを吐き出すように音楽と向き合った。サウンドもアンビエント色が強いクールな印象だったが、一転、最新アルバムでは、力強いマーチングのリズムで冒頭を飾る「僕のままで」をはじめ、華やかなホーンやストリングスが印象的な力強いサウンドと真正面から語りかけるポジティブなメッセージに満ちていて驚かされる。

「昨年、コロナ禍で自由に活動ができない期間があったことが大きかったですね。そこで、じっくり考えることができた。僕は自分のことを天才的に才能があるタイプだとは思っていなくて。がむしゃらに、必死にやってきて運良くここまでくることができた。平凡な自分はこのままで大丈夫なのかって不安になった時もあったんですけど、でも、そんな弱い自分でもいいんじゃないかって、受け入れることができたのが2020年だったんです」

タイトル曲でありアルバムのラストに収録された「Colorless」では「自分が嫌になっていたとしても そうもう一回 もう一回 向き合ってみるよ」と丁寧に歌い上げる。その揺るがない信念は多くのリスナーの心も温めてくれそうだ。

「今までの僕はけっこうあまのじゃくで(笑)。失恋の悲しい曲なのにアップテンポな真逆の世界観のトラックをつけたりしていたんです。でも、今回はそういうのはナシ。ダイレクトに受け取ってもらいたくて。そういうことができる強さが自分の中にできたような気がします。自分が目指しているものがぶれなければ、大丈夫なんだって思えたんですよね」

ぶれない強さを手に入れたからこそいろんなことに挑戦していきたいと語る。最近、自身のYouTubeチャンネル「むかチャン」も開設したばかり。知られざる(案外、庶民的な!?)素の表情にさらにファンが増えそうな予感も……。

「今年は、いろいろ挑戦の年にしたくて勢いではじめてみました(笑)。YouTubeは思い切り肩の力を抜いてやっていきたい! 全部、自分たちでやっているので企画から何しようか? って相談しながら作っていくのが楽しいですね。これからの季節だったら外をゆっくりお散歩する企画とかやってみたいです」

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4thアルバム『COLORLESS』。中島美嘉、YUKIに楽曲提供する百田留衣ら豪華プロデューサーの参加も話題。全13曲収録。【初回生産限定盤(CD+BD)】¥4,620 【通常盤(CD)】¥3,300(トイズファクトリー)

むかい・たいち 1992年、福岡県生まれ。2013年よりソロとして歌手活動をスタートし、’17年メジャーデビュー。6月にワンマン・ツアー「COLORLESS TOUR 2021」を開催。

※『anan』2021年4月28日号より。写真・大嶋千尋 取材、文・梅原加奈

(by anan編集部)